水増しのコロン

天声人語に語られていた内容からの話であるが。画家セザンヌの作品に赤いチョッキの少年シリーズがある。この赤色は女性にいわゆるもてる色だというデータがあるそうだ。また、夏目漱石の作品、坊っちゃんにも赤シャツなる人物が登場する。この場合は赤い色はもてるという意識ありで着ているのであるが、男が赤い色を着て持てようとする日仏の赤色合戦。セザンヌが女性に人気を得るためにチョッキを赤色にしたのかどうかは不明であるが。男たるもの色で上げ底せず、中身が伴った本物をめざすべきであるという、論。赤の力はせいぜい水増しのコロン程度、即ち匂いがあるかなしかの香り、そんな程度の香りでは辺りの女性をひきつけられない、ということらしい。ここでも、持てるために香りが道具として登場しているのが、一般通念として興味深い。

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