ある朝地下鉄の駅への道すがら飛び込む匂いはたばこの匂い。息を止めて足早やに歩く。やっと改札口にたどりついてまた、匂い。運動部の中学生の集団がどこかに練習に行くようだ。洗剤、柔軟剤たっぷりの匂いが鼻を刺激する。お家のかたは汗の匂いやら若い男性ホルモンの匂いやらを抑えたい一心でせっせと香りの強いもので洗濯するのであろう。昨今問題になっているこういった現象は30年以上前の朝シャンブームを思いださせる。むろん匂いの差はあるが香りのしっかりしたリンスに女子高の朝のHR、先生方はおおーっとなっていたようである。早く窓をアケローと。
汗、ホルモンの匂いも強い香料にマスキングされているにすぎない。限度を超えてまでも覆い隠す必要性があるのであろうか。一度、一切匂いをセーブして野山、植物園に出かけ嗅覚を休め、かすかな自然の匂いの在り様に気付いてみてはと思うこの頃である。