坊っちゃんとマドンナ

天声人語に書かれていたことを参考に。

漱石の坊っちゃんの一節に次の文がある。「何だか水晶の珠を香水で暖めて掌へ握って見たような心持がした」マドンナを初めて見たときのような心地、、

マドンナに香水の香りを感じているのはこの時代如何に香水が舶来で高価で最高の女性にふさわしいかを語っているのではないであろうか。香りは実体がないにもかかわらず感じるのである。特に漱石の時代、香水という言葉自体が特殊な場所で特殊な人々に使われていたに過ぎないものであったであろう。上流階級、お金持ち、そんな世界に存在した舶来香水、その香りは水晶に香りが馥郁と移り伝わるほど濃厚な天然香料が調合され、まさに一滴が宝石の如く輝く香水の世界であったのである。

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