2014年

11月

07日

新しいブログを書く

松本清張の小説の中に、絵の題名がでていた。それは細道の香という名。絵はどんなものか想像でしかないが、この名で香りのデザインを想像するのと似ている仕事。松尾芭蕉の奥の細道から自然、木が香料に思いうかぶ。だいぶ前のことであるが、青山にフランスのお菓子、LE CONTEが出店した。フランスのお菓子ブームの走りであった。シェフのルコントさんと香水の名前について話をしたことがあった。それは白い花の香りについてのネイミング。春一番に咲く花プリムベール、これは雪の土から春一番に咲く花でここのところをネイミングしてPERCE NEIGEがいいと。、雪を突き破るという意味である。結局はMADAME la BLANCHEにしたが。パティシエもネイミングは必須なのである。雪の名のフランスのお菓子にーデズーアラネージーがある。雪に浮かんだ卵の意味でお呼ばれのときこぼさないように大きな平たい器に入れて持参した覚えがある。キャラメルソースの中で自由に浮かぶプディングであり冷やして食べる。作ったのはpatisserie a la maisonのMadame CRESP。

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2014年

11月

06日

新しいブログを書く

VIGNY社のCOLLIWOGG

香調はオリエンタルタイプである。

この独特なキャップはアフリカンそのもの。

植民地で採油される香料を使用したということから調合は甘いオリエンタルノートになったと思われる。現在のものとは違って多くの天然香料が使用されているため残香も古き良き時代の香りである。

 

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2014年

11月

05日

新しいブログを書く

GUERLAINには4種類のオーデコロンがあり全種類がリニューアルされている。実に残念ながら全ての香調が香料の都合であると思われるが以前の全盛期のものとは違う。この写真はミツバチの浮彫模様のオーデコロンのデモ用フラコン。丸く貫禄のあるもので4種類はラベルで区別されていたが、現在のものはこれは使用されていない。

失われゆく良いものたち、海の沖へ流れていくように静かな退散。知っているものは少ない。

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2014年

10月

31日

ブルーアイス

ブルーアイス
ブルーアイス

葉にはいろいろな香りが入っている。葉の単純な匂いではなく一種の調合香料のようである。少し指で擦ってみると、ドクダミ、パクシー、柑橘系の一部、そして驚くべきはカシスの芽。一度この香りが空気中に出ると簡単には消えない強さがある。この強さは加齢臭と対等に戦える匂いである。おしゃれな匂いである。

2014年

10月

30日

女優

女優で美しいのはドイツ系のシモーニュシニョレ、ロミーシュナイダー、マレーネディートリッヒは知的で美しい。ジュリエットビノシュはドイツ人ではないがLANCOMの香水、POEMEに出ていた。香水の宣伝に女優を使用しだしたのはそんなに昔からではない。また、アランドロン、エリザベステーラー、などは自分の名前の香水を出した走りであった。POEMEはヒマラヤの青いケシの香りが使用されているというのが宣伝のポイントであったが実際はその香りの成分が少しは認められる程度。この時代の商品の特徴で分析ででた成分(合成香料)を入いれば十分めずらしい名前を入れ込むことができていた。トケイソウ、ライチ、砂漠の花、など。前述の2人の女優は人生の映画の役とまざり、どれが実際の人生かわからないほどであるように思われる。時代背景はナチスがちらつき、知的さが光る。美しさには悲しさが必要かもしれない。残念ながら香水の絡みはまだ、確認できないでいる。

2014年

10月

29日

紫苑

紫苑
紫苑

源氏物語に登場する紫苑は秋に咲く花。薄紫色。秋、幼子が紫苑色,撫子色、の濃淡の衣、それにオミナエシ色をまとい、草むらで虫をとっている。草の紫苑色にこの衣の紫色の濃淡、それをー紫苑ことごとに匂う空も、-とある。ここで問題なのはこの花、紫苑には香りがないことである。何故このように、書かれているのか、それは同じ系統の色彩で濃淡を順に重ねることをー匂いーと表現するという解釈があり納得。源氏物語はプルーストのー失われた時を求めてー

のように、美しい、貴族社会を語っている

2014年

10月

28日

楓の香り

今、楓の葉が落葉し始めている。楓は香る、それは別名,AMBER LIQUIDと言われるほど、薫香のように感じる香り。このAMBER LIQUIDはクジラの香料のこと。昔はこの香料が無ければ高級感が出せない、必須の香料であった。今は天然香料は使用できない状態である。代用はLABDANUMか合成香料。楓の匂いは乳香に似ていると、昨年東京の浅草橋辺りで感じたが実際それは、楓だったのか確信できていない。いま、街路樹として植えられているこの楓がどこかで香りを出しているはずなのであるが。

2014年

10月

27日

フランス語のROSE

ROSE DES VENTS、直訳は風のバラだが、方位盤の意味。NE PAS SENTIR LA ROSE

直訳はバラを嗅がない、バラの匂いがしないだがーイヤな匂いがするーの意味。ETRE FRAIS COMME

UNE ROSEの直訳はバラのようにみずみずしいだがみずみずしい顔をしているの意味。全てバラの意味を出していないほど、バラは言葉としてバラではなく自由に君臨できる用語になってしまっている。フランス人のバラに対する思いが伝わる-ROSEー。世界中でもてはやされるバラ、香りも絶対的に女王の地位を保っている。

2014年

10月

25日

人間カメムシ

朝、9時10分。コンビニの前,たばこ吸い場所。黒いスーツ姿の男たち7人ぐらいが体を寄せ合って必死で吸っている。重なるような集まり方が一瞬越冬カメムシを思い出させた。安い背広、風貌の上がらない同じ背丈。小太り。臭いタバコの匂い。10分後、再びこの集団に出くわした、裏道、行く先はビッグカンパニーではないはず。やっぱり群れて歩いていた。カメムシ以外何といえようか。やっぱり、重なり、臭いはそれ。

2014年

10月

24日

楠木の実

楠木の実は緑から乾燥しながら黒色になってくる。緑の時は青い葉のような匂いがする。それが乾燥して、まるで胡椒のように皺くちゃになったものの皮を爪で削るとスパイシーな香りがする。楠木の下の地面辺りで拾って確かめてはいかがでしょうか。実は乾燥状態で2年経たものでもスパイシーな香りを放つ。楠木は樟脳という香料を採る香料作物である。

2014年

10月

23日

ハンドクリームの香り

これから市場はハンドクリームで活性化される。ある会社から頼まれてこのハンドクリームの香料をデザインしている。市場はユズ、柚子、のオンパレード、国内外ともの商品がそうである。しかも売れ筋の匂い。こんな中、柚子以外の売れ筋の香りの開発が必要であるというわけである。平凡ながらバラ、フルーツ、を頼まれる。ハンドクリームは手につけて、どのくらいの時間後にその香りが消え去るのが良いのか。市場品の匂いを研究していると手荒れのためよりも練香のようにその香りを楽しむ方もいるような香りの強さがある商品も見受けられる。さらにハンドクリームは製造段階で熱がかかるので、香料のその対処も必要になってくる。ほぼ完成したデザインを近々プレゼンする予定。

2014年

10月

22日

クリスタルのサンルイの初めての香り

eau de st.Loui
eau de st.Loui

1995年パリで発売のシャンデリアのST.Louiのはじめての香り。EAU ESTRAGON。葉、エストラゴンの名を使ったいわばオーデコロン。香りは薄くエストラゴンの香りを感じない。この時代にしては他社のような強いデザイン性はないが優しい薄い香り。むろんサンルイ社という名の知名度で女性誌のparfumのニュースとしては取り扱われていた。驚きはこの容器。アルミ容器で通常、香料会社が香料を入れるいわば裏方使用のもの。箱は流石マーブル使用の紙貼り。しかし安価な仕様。さらに驚きは値段が高いこと。製造ロットの少なさ販売ルートの無さが浮かぶ。その後話題に上ることはなかった。クリスタル関係ではラリックの香水(オーデトワレ)が一番にぎやかである。

2014年

10月

21日

guerlainのmuguet

GUERLAINのmuguet
GUERLAINのmuguet

めずらしい1997年限定版。パリで200mの行列で購入。成功したのでその翌年も製造。しかし、年々、香りの内容落ちてきた。日本に限定版で売られたころには全く初回の香りとは程遠い内容。写真のものは復刻版として出されたものであるが、その復刻のモデルがわからないので何とも言えないがリッチ感のあるスズランのシングルフローラルタイプである。COTY、CARON社のそれぞれのmuguetとは違うのは確かである。

2014年

10月

20日

グリーンティーの香り

グリーンティーのパッケージ
グリーンティーのパッケージ

先にパッケージイメージでスタート。今までにグリーンティーの香水はヒットを飛ばしながらも廃番の道をたどっている。さわやかなグリーンノートは葉の成分が必須である。そしてクリアーでの一貫性を持つこと。若い方が好きな香りである。

2014年

10月

17日

10月26日東山植物園にて香水つくり

東山植物園の秋祭り始まっています。26日日曜日10時より植物会館内で花の香水つくりのイベント開催。

自由に予約なしで作ることができます。参加費は¥600です。乳香の話をして香料を10名様に差し上げる予定です

 

2014年

10月

14日

2度咲き金木犀

今2回目が咲き始めた。秋の澄み切った空気に良く通る香りのデザインである。立ちが良く、桃のフルーティに支えられ後から押し上げる匂いは花の生命線的香料の技。秋も地味ではあるが春や夏の花と似た香りを出していることに驚く。白洲正子氏の母上が香三昧、しかも伽羅の香木を焚きそれにいつも包まれていたという。が、煙はかなり重いと思うが一等の宝石位の最高級の伽羅に関しては余程違うのであろう。西方浄土から仏が良い匂いを立ち昇らせながら死者を迎えにくる匂いと似ていたのであろうか。

2014年

10月

11日

香料の旅

サンパイア、フジバカマ、竜脳
サンパイア、フジバカマ、竜脳

香の老舗の工場へお邪魔した。現在研究中のテーマに必要なフジバカマの原種の香りを教えていただいた。さらに珍しいサンパイアの木、これは南米産。美しいすがすがしい木の匂いがする。竜脳は主成分がやんわりといろいろな木、樹脂の匂いにサポートされている。普通では入手困難な香りの植物。予期せずの香料の旅での収穫。知識こそ、感動できるものはないと思う。この日に東寺の風信香の香りも確認し、またも知識を得た。帰りの新幹線の席の隣の人からのタバコ(服に付着)の匂いでがっかり、苦しい思いであった。

2014年

10月

08日

香りの混合

香水講座でのお話。シプレー調の香水をつくったところ、どうも、クラシックすぎて使いにくいので、、。

最も今風なオードトワレをつくりこれにその香水を3%くらい混合。みなさんお試しされ納得された模様。

こんなこともできるのが調合の楽しさである。すこし無謀かとも思いますが、、。お手持ちの香水などでお試しください。

2014年

10月

06日

台風の匂い

台風の風と雨の匂いは確かに生臭い。生温かい空気によってあたりの匂いが取り込まれると冬の冷たい時の雨の匂いとは違う。生温かい風が黴菌の繁殖した匂いにさせて腐る一歩手前の匂いにするのか。青深泥の匂いがする。

向田邦子氏は香水の香りに関しては香料という言葉を使っている。林夫美子氏とこの点一緒であるがどうして香料なのであろうか。香料という言葉には人為的な要素が加わり作られた匂いという意味で使用されているのであろうか。

2014年

10月

03日

匂いと香りと、、、

源氏物語のなかにこのような記術がある。今で言う室内の香りは空香と呼ばれ、薫香を焚き良い香りを漂わせるのである。ある法要で煙一杯にけむたいほどこの空焚きをしている。このありさまに源氏はこんなことをいう。空薫物はどこから薫ってくるのだろう、と、わからぬほどにたくのがよいのだ。あの、富士山の噴煙よりもひどくけぶるようでは、本来の心がけからはずれてしまう。と。貴族作法の優雅さと折しも御嶽山の噴煙に重なりいつの世も同じ。ほのか、そこはかとなくが良い香り。

2014年

10月

01日

源氏物語の匂い

源氏物語の中にこんなくだりがある。末摘花が病気治療のためニンニクを食べたので臭くてたずねてきた男に会えないという。当時のニンニクはよほど原種的で匂いが強いものであったのか、あるいは末摘花がたくさん食したのか。

香 を焚きしめていた時代ニンニクの香りは香には隠れずに匂っていたのであろう。当時は口臭を隠すものはなかったのであろうか。また、ニンニクをどうやって食 していたのであろうか。生をガリガリとは考えられないがこれほど臭いとこのケースも想定される。何しろ末摘花であるから。

2014年

9月

30日

風と共に去りぬ香水

GUERLAIN社の香水の中にこの和名を持った香水がある。フランス語名はSOUS LE VENT。

風の下という意味。香りはGUERLAINのなかでは成功した部類には入っていなかっただけにやはり中途半端。

青い時、この名の香水と香りの詩という名の香水の中間的な香り。特有のトップノートのシトラス系は美しい。

2014年

9月

29日

カツラの木の葉

カツラの木
カツラの木

カツラ、桂の葉が黄変し始め落葉している。これは匂う。よく枯れた葉を裂くと、美味しい香りがする。

バニラとカラメルソースのにおい。丸葉でキュート。栞として本に挟むのに適している。

東山植物園入口にある。

2014年

9月

27日

京の香り

京の香り
京の香り

京都には特別な思いがある。近寄りがたき上等な何かを感じる。やはり一番良い日本があるのであろう。

京の宵、京の舞、2種の香りを創作した。

2014年

9月

25日

東山植物園にて香りを楽しむ植物のお話

28日日曜日、午後1時東山植物園の植物会館にお越しください。イランイラン、クレマチス、ハニーサックル、コスモスなどの花の香りを現場にて嗅ぎます。

10名様にイランイランの香りを差し上げます。

2014年

9月

24日

アベリアの花咲く

アベリア
アベリア

今この花が真っ盛りで香りを放っている。赤いものと薄ピンクの2種がある。咲きかけはバラにも似た香り。今は濃厚な粉っぽさをもった蜜の香り。秋なのに、精一杯春らしくしている。

2014年

9月

22日

最高のコーヒー豆

ジャコウネコがコーヒーの豆を食しその糞の中に実の部分が排出され、それが最高のコーヒーとなって飲まれる。

実を炒る時に、シナモンの木を燃やして炒るという。それはどうしてなのか。そばに桂樹は殺菌性と芳香があるからであろうか。

2014年

9月

20日

浮雲

林扶美子の小説、浮雲にこんなことが書いてある。安南、ユエで香水川と呼ばれる場所、、、。ここには楠、伽羅などがあるらしい。本当にこの名前であったのであろうか。時代は戦争中である。余談であるが浮雲という名前のバラは実に美しい色と、香りをもっている。この浮雲には多くの木の種類が出てくる。農林省の仕事が物語の背景にあるからだ。

2014年

9月

19日

金木犀

金木犀
金木犀

もうじき金木犀が香りはじめる。中国では九里香というそうだ。それはこの香りが九里離れたところにまで届くということから名付けられたという。花が少し開いたときには、その香りはフルーティノートがグリーンノートとあいまって

鋭く周囲に飛ばされる。まさに九里、36㎞の飛躍力。その後開花全盛の時にはもったりとしたフルーティ、桃とおしゃれなスミレに包まれてくるのである。セクシーな金木犀の花の香りは多くの人に語られ謳われるている。

京都、南禅寺の疏水橋のあたりは金の花をまき散らし香りの道はむせかえっている。

2014年

9月

18日

Guerlainの香水 CHAMADE

CHAMADE
CHAMADE

1969年発売のフローラルにオリエンタルのかかった香調である。日本名としての和訳はー熱い鼓動ー大変フルーティローズが多く使われていた。その後発売のNAHEMAほどは使用されていないが、シプレー調が多いGuerlainにしては大いに路線変更の香調である。さらに、Parureという香水は1975年にフローラルタイプで発売、これは完全に過去のGuerlain調,後にGuerlinadeなる言葉を誕生させているが、それではなくなっていた。このPARUREは宝石のVAN CLEEF ARPEL社の1976年発売のFIRSTに負ける形で販売はすぐ打ち切られた。この時代、実に多くのいろいろなジャンルの会社が香水というより、オードトワレではあったが発売をし始めそれに伴い流通経路にも変化が表れてきた。香料会社の調香師は大忙しに突入。日本も高度成長期を迎え化粧品会社はおおくの種類の香水を発売していたのである。

2014年

9月

17日

COTYの香水 MASUMI

MASUMI
MASUMI

1967年発売のものはグリーンノートのはいったフローラルタイプ。1976年再スタート発売品はグリーンノートは入っているがシプレーでムスキー系になって、調合内容が変わった。実におもいきった戦略である。実はcoty社ほど身売りが早い時期にから行われていた化粧品会社はまれである。優秀な内容の商品を販売していたのであるが。パリで元COTY社の化粧品研究にかかわっていた人物にあったことがある。カネボウ化粧品全盛期の時、彼はカネボウのパリの出先研究者として働いていた。全盛期にはデパートの1階で高級な化粧品と共に売られていたこのMASUMI香水は1976年ごろ、競合のメーカーには無い香りのタイプで多くのファンを持っていた。嗜好性を捉えていた香水であった。実際この香水のimitationをしてみると、なるほどと思う。1967年ものからデザインを変えた香水はなんとも言えない落ちつきがある。その名前MASUMIは日本人女性の名に由来している。もちろん、今はPARFUM DISPARU。

 

 

muguet compose
muguet compose

COTY社で売れていたのは、MUGUET des BOISであった。これは、MUGUET COMPOSE

という名前であり、めずらしい。スズランの香りである。スズランはCARON社のMUGUET de BONHEURも有名であった。C。DIORのDIORISSIMOはスズランというよりJASMINよりの香りであった。

シングルフローラル系の香りはやはり貫禄がでないのである。

2014年

9月

13日

葛の花

葛の花
葛の花

秋の七草のひとつである。もうじき咲き始める。花の色はワイン色からムラサキ、紫苑へと変化していく。香りは大変力強い。ひとことで、CHIRISTIAN DIORの1980年の作品 POISONに似ている。地味な景色になってきている秋の野山で華やかでたくましさを発揮している。可憐とは程遠い花、葉、茎、根。1日で10cm伸びてしまう茎。花の姿は落ちこぼれたものがまるで蛾、蝶のようで紫苑いろ。その後、実になっていくが毛だらけの枝豆に似た実になる。短時間でこいういった一連のシーンをこなす。根は漢方薬になり役に立つ。秋の野山で葛の一生の劇をみる機会も難しくなってきている。

2014年

9月

12日

伝説の香水ROSE JAQUEMINO

ROSE JACQUEMINOT
ROSE JACQUEMINOT

1904年発売のROSEの香水。ビン底にわずかに残っているからはchypre―の香りがする。シングルフローラルROSEの香りはしない。ROCHAS社のLA ROSEもやはりシングルフローラルではない。

この時代、シングルフローラルは高級感にかけていたのではないかと思われる。シングルフローラルはBREJOIE社のものが多い時代である。

写真のものは主にアメリカでうられたいたものであろう。キャッップはベークライト製。

2014年

9月

11日

伝説の香水CHYPRE

coty chypre
coty chypre

昔の調香師、1970年までに香料会社か化粧品会社で働いていた人、これらの調香師たちなら皆、この名前は知っているはずである。あまりにも有名であるからだ。

1917年作。名門 COTY社がこの香水を作り、はじめてこのデザインスタイルを提案。その後このデザインを持つ香水のタイプをその名前にちなんでCHYPREタイプと言っていた。

香料,PACHOULY、MOUSSE DE CHENE、BERGAMOTEを使用して作る。写真はそのものである。昔の香水たちは販売時期、販売国により箱、ビン、シールなどが違っている。しかしこういった良い天然香料を使用し作り上げられたものは中身はほぼ変化せずに残っている。色は光線で着色してしまうがほぼ香りには影響がない。トップノートは完全に消えているのはトップノートの香料の宿命であるがこの時代の香水はラストノートに重きを置くものであるからほぼ問題はない。香水の歴史は、その時代の環境、気候はもとより政治まで含めて映し出してくる。GRASSEのバラ、ジャスミン、ユーゴスラビアのMOUSSSE DE CHENE、インドネシアのPACHOULY、シシリアのBERAGAMOTE、レユニオンのVETIVER、労働者、植民地、が入り混じる天然香料の生産の姿が香水の製造に独特な姿をさらしてくる。

  第2次世界大戦前に香水をつけることができた人達 、貴族やブルジョワジーを思い、香りを嗅ぐ気分は優雅なタイムスリップでもある。

2014年

9月

08日

香水について話す

ある有名な美容家によって1962年の香水関係の本の中で書かれていた内容が以下である。

 

日本婦人の美容に関してこの頃特に関心を払う必要を感ぜられてきておりますのは香水の使い方でありましょう。その点、外人はいろいろの香水を非常に巧みに使いこなして、時に際し場所に応じて、自分の持ち味を生かして居られます。秀れた香水が醸し出す雰囲気というものが、その人のヘヤーデザインや服装に、、、、、もちろんその場の環境にも、、、、、ピッタリした時の素晴らしさ、、、その時こそ、その人の品性や教養を完全な個性美として浮彫りにしたものと申せましょう。日本では、この点まだまだの感のする場合が大変多いようです。香水の使い方を大いにご研究なさって、日本婦人の優れた美しさを十分生かして戴きたいと感じております。

 

ーーずいぶん前に書かれたものであるが実に香水の力、役割を美しい言葉によって表現されている。ここでの日本婦人は上流階級である。

 

 

 

 

 

2014年

9月

08日

青いバラ

青いバラ
青いバラ

ーー覚めても青い夢、、、-こんな宣伝を昔、見たことがある。某化粧品メーカーのブルーローズ香水の宣伝。

 

だいぶ後になってこんな句を見た。ーー寝ても覚めても夜が長い瀬の音ーーこれは山口県の俳人種田山頭火の作品。

 

さらには、ー分け入っても分け入っても青い山ーこんな句もある。よくできた広告代理店のコピーライトだと感動していたのに、、、。

 

 

2014年

9月

06日

provenceの城 roseraie

carpentrasの城 roseraie
carpentrasの城 roseraie

avignonに近いまち、Carpentrasに友人が住んでいる。そこにあるroserai。バラ園というの意味をもつ小さい城である。この辺りは PROVENCE地方。ワイン、ラベンダーで名が知れている。どんな城主がどんな統治をしていたのでろうか。マルセルパニョルの劇の舞台の様である。有名 な、chateau de ma mereは南仏の生活が手に取るように分かる映画。ラベンダー、タイムの香りが漂うのである。ラベンダーは清潔、タイムは殺菌の代名詞を持つ。

2014年

9月

05日

テレサテン つぐない再び

結論。西日のあたる部屋にいた男は浮浪者風で靴も靴下も変えずお風呂もはいらずひたすらナルドを自ら製造していた人。西日、長い時間たってもナルドの匂いは消えない。人間臭さがあって良いのだろう。

2014年

9月

04日

風と共に去りぬ

風と共に去りぬ
風と共に去りぬ

若い高校生のころ、この風と共に去りぬの映画、小説をどれほど、見、読んだことか。南北戦争、奴隷をテーマにスカーレットオハラとレッドバトラー、アシュレウイルクスの愛がからむ大作。4時間に及ぶ映画の放映は世界中の人々を魅了している。民族、文化の差を超える愛の魅力と戦いがそうさせている。でも、スカーレット役のビビアンリーはアカデミー女優賞に輝く裏で苦しんだそうである。レッドは口が臭かったのである。このことを知ったのは乙女の時代、感動に酔いしれていたころのずっと後。純粋にあの映画、小説に引き込まれ開けても暮れてもネーネーどっちが好き、レッド、それともアシュレ私はレッド、私もレッドでやっていたころのレッドだーい好きのずっと後。この事実を知った後の映画は、ビビアンリーの苦しみにご一緒させていただくことになる。ここも息を止めて、ここはがまんできるかなどなど、、。レッドの口臭で百年の恋も冷めてしまった。ついでにストーリーも別ものになり、内容も子供じみて見えてきてしまった。小説、映画などで感動を求めるのにはその人の年齢、経験の幅が重要ポイントである。レッド役のクラークゲーブルはローレンバコール(先日ご逝去)という才色兼備の女優が奥様。

 

小説ではスカーレットの母はフランス貴族出身でありレモンバームの香りをつけていた、母が歩くと衣擦れの音がしたと書かれている。

レッドバトラー
レッドバトラー

2014年

9月

03日

足のにおいと薫香

甘松香という香料がある。ナルドともいう。これは香水香料には使わない。所謂お香の世界では重要な香料であるらしい。源氏物語の宮様方のお香つくりにも登場している。この匂いは靴を履き続け靴下も変えずにいたと思しき匂いと似ている。靴からゆらゆらと登る足の匂いは強烈でゆうに1mくらいは上ってくる力がある。地下鉄の中での経験であるが人間がこれほどまでにスゴイ匂いが作れるとは、思わず前述の雅の世界と重ねて臭いというより感激である。太っちょで脂ぎったボサボサ頭の男は歩き歩き同じ靴、靴下で頑張ればこの匂いは作り出せる。雅の世界の甘松香。高木、スパイス、蜜などと混ぜれば優雅なお香の香りができる、ナルド。実に臭い匂いはいろいろな力を秘めている。

 

 

 

 

2014年

9月

02日

藤袴

藤袴の花
藤袴の花

源氏物語の時代、フジバカマは香りがしっかりしていた関係であろうか、と呼ばれていた。

フジバカマは葉を乾燥させて薬用にしている。実際、この香りはcoumarinというトンカ豆の成分の香りがする。これは残り香を作る重要な働きを持つ香料である。平安時代このよう香りは薫香を作るのに役だっていたのであろう。

秋の七草の仲間である。東山植物園でももうじき花が咲く。葉と花の香りを嗅ぐのも楽しみである。両者の香りには違いがあるのが分かるはずである。

2014年

9月

01日

香水を飲む

古い香水
古い香水

昔の映画、風と共に去りぬのなかでヒロインのスカーレットがお酒の匂いを隠すためにオーデコロンでうがいをするシーンがある。この場合は飲んではいないがうがいをしただけでも相当口の中は大変なことになっているはずである

。お酒は胃袋から出る匂いであるから効果はどうであったであろうか。映画ではバレバレで逆効果であった。

アメリカのオーデコロンは残り香がバニラであり、フロリダコロンと呼ぶ。爽やかさはフランスのものに比べると劣る。飲んでも死にはしないが、気持ちが悪いのである。濃度の濃い香水の場合はもっと耐え難いものであろう。口紅もナイトクリームも化粧水も食べたり飲んだりしても死なない。ただ、気持ちが悪いのである。

2014年

8月

30日

アンバーグリス

マッコウクジラ
マッコウクジラ

マッコウクジラの中には素晴らしい香料が宿っている。その名は

アンバーグリス。動物香料のなかでも拡散性にすぐれたものである。かってゲラン社はこの香料を惜しげもなく使用し銘香を生み出していた。現在はこの香料の代用としてシストラブダナムという植物が使用されている。動物と植物が似た香りを創り出している。これらの香料が入った香りはまったりとしたデザインにつながる。

2014年

8月

28日

ゲラン社のオーダーメード香水

バルザック
バルザック

フランスの誇る19世紀の文豪バルザック。彼の代表作の人間喜劇シリーズの第10巻に香水商の話がある。セザールビロトーという人物が主人公。

コヒー好きで、借金まみれで有名なバルザック、PASSYに彼の家がある。ゲランは180年の一族の香水商の歴史を閉じたのだが、初期にオーダーメードが行われ、その最初のお客様がバルザックであったという。8月

2014

コンテンツを追加
コンテンツを追加
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2014年

8月

27日

香水の香りの表現

匂い、香りの言葉による表現は難しい。専門家が専門用語で表現するのとはわけが違う。ある香りをデザインしてその評価をきいたり、希望の香りをたづねると理解に苦しむことになる。好きな香りをたずねると、答えはフルーティ、あまい香りが大半を占める。男女とも同じであるのも首をかしげたくなるがどの場面でも例えば食事、話言葉、普段着、も似ているから現代の現象の一つなのかもしれない。が、直面している香りのデザインでは説得に乗り出したい気持ちでいっぱいである。フルーティーよりこちらのシトラス系にと。

2014年

8月

25日

洗濯の匂い

ある通りの前に来ると洗剤の匂いがする。そこには有名な美容室がある。タオルを洗って室内に干してあるのであろうか、外まで洗剤か柔軟剤の香料が匂うのである。察するに干してある場所は通りからは離れた奥のような気がする。乾燥機の換気のためのに排出される匂いであろうか。刑事のようにあれこれと想像をめぐらしてしまう。悪い匂いも良い匂いも源を知りたくなる。

2014年

8月

23日

カブト虫

夏の昆虫、カブト虫。このものの採取は匂いである。必ずいるところの木は、フルーティーな匂い、やや夏の生ごみよりのフルーティな匂いではあるが、それが匂う。だから、捕獲はとても簡単である。

2014年

8月

22日

土砂崩れの前兆の匂い

ニュースによると、生臭い匂い、ガス臭い匂い、土の匂い、土が腐った匂いの表現があった。はたしてこのような匂い表現は、と考える。いづれにしても良い匂いではなかったのである。家屋も押し流されてくる中、下水道の破壊、各家のゴミなどの匂いが水に乗ってくるのであろうか。もし、家屋がないとすれば土の匂い、水の匂いであったのではないかと思うのだが、、。

2014年

8月

21日

長良川鵜飼い

鵜飼いでは松明に火がともされ夜のシーンに情緒が加わる。この松明が燃えると匂いがする。松脂の香料が燃える匂いである。松の香料は葉から採油する。パインニードルという名。殺菌力がありディタージェントの部類、洗浄用に使われる。また、フランスではこの香料を古布に浸み込ませ木製のテーブル、棚、などを拭き掃除する。その後部屋には清潔感のある良い香りが漂う。木製の拭き掃除に水は使用しないのである。その応用がダスキンのモップ。油で埃をとるのである。

   鵜飼いの厳かな歴史の漁法はいつもこの松明の香りが水面を覆う。香りがバックグラウンドにあると優雅という表情を加える。そして、パチパチと燃える音。フランス料理のシェフ、ロブションとそのご家族との鵜飼いの想い出が過る。

2014年

8月

20日

テレサテン続き

つぐない、という歌です。こんな歌詞ー窓に西日あたる部屋はいつもあなたの匂いがするー前の続きになりますが、匂いという表現は香水らしくは感じられず、やはり体臭でしょうけれど、いつも匂いがするという点はよほど強い体臭でしょうか。懐かしく、心残りの感じられるあたりはどうでしょうか、この体臭では。犬の匂いも飼い主はこんな風に思うのでしょうか。あれこれ追及です。

ことしの夏もセミのおしっこの匂いがかげませんでした。コアラ、ヒキガエルの糞の匂いは知っています。

2014年

8月

18日

テレサテンの歌

西日があたる部屋に以前、彼がいた、、ーー今でも彼の匂いがするという内容について。

素敵な歌声に恋の詞、しかし、彼の匂いとは、何の匂いであろうか。オードトワレか体臭か。

今でも匂うあたり、オードトワレのあの時代なら、シプレーの匂いが残っているかもしれないが問題は西日と彼がいなくなってどのくらいの時間がたっているかである。西日は香りを早く揮発させる。おそらく1週間ぐらい前に彼が出て行った部屋であろう。体臭は汗臭い労働者の彼でありその服が残っているなら匂うかもしれないが、この場合はやはり彼が使用していたオードトワレの香り。商品名はGivenchy Gentleman、かPaco Labanne の r であろう。

2014年

8月

12日

GRASSEの会社MERO ET BOYVEAU S.A.

1848年創立の老舗であった香料会社は古き良き時代の香水の街GRASSEのシンボルであった。眼窩にカンヌの海が臨まれた。会社に入るとイチゴの匂いが充満しているときがあった。あまりにも美味しそうな匂い。それは不二家のフレーバーに使われていたのだそうだ。当時の不二家のアイスクリーム、飴などはダントツの味の良さがあった。他社より高い良質なこのMERO社の香料を使用していたのである。

2014年

8月

11日

イランイランの花が咲いている

マダガスカル、フィリピンで咲く香水香料に重要な花、イランイランが東山植物園で咲いているそうである。珍しい花の香りを嗅ぐチャンスはめったになく流石、名古屋の名所、東山植物園である。

強いトップノートを作るこの香料は香水、フローラルタイプ、オリエンタルタイプ、シプレータイプの銘香には欠かせない香料である。ミドルノートの花の香りたちをきれいにまとめて引き上げ、豊かなトップからミドルへの展開を作ってくれるのである。

2014年

8月

08日

タヒチの花

タヒチ、南国ポリネシアの島、ゴーギャンが住んでいた島で有名である。この島に咲くティアーレという白い花が良い香りを放つときいた。直ぐにでも此の花の匂いを嗅ぎたいが遠い彼方向こうの島。思いをはせ、想像してみる。白い花であるから、ジャスミン、ネロリ、クチナシ、南国であるから、プルメリア、などなど。いつか現場に行くまでの楽しみである。

今朝、強烈な合成香料のネロリの香りにむせかえった。その香りの主は一向に周囲の反応にお構いなし。この種の経験をお持ちの方は多いと思う昨今である。

2014年

8月

07日

provenceの匂い

7年前南仏の友人を訪ねた。まづ、、ニース。旧ニースでピザをたべようとレストランを探しながら歩いていたとき、日本の夏のあの匂いが飛び込んできた。それはゴミ収集車が道に残した生ゴミの汁のフルーティな不快な匂い。これまで、フランスでは嗅いだことのなかった匂いだ。鼻の良いフランス人はなぜこの匂いを不快と思はないのか。その後美しい村CERESTEへ。この村に住む友人は嗅覚に優れている。ある日買い物をするため村の中心に出かけたとき、再びあの匂い。見れば大きなゴミ収集のBOX。ここに村の人は家庭ゴミをいれるのである。恐らく毎日ではなく週何回か集めに来る程度。ゴミは発酵してあの匂いを辺り一面に漂わせる。嗅覚の良いはずの友人は無反応。こちらが必死にハンカチで鼻の抑えているのを不可思議に感じていたと思う。その後大きな町MANOSQUEへ。大勢の人々がいる観光地の教会前でも、レストラン街でもこの匂い。誰も臭いという反応を見せていないのがまたもや不思議であった。今この点が心配で再び足を運ぶ気持ちを削いでいる。花の都PARISにはこの匂いがなかったのが救いである。それは毎朝、清掃車が街をきれいにしているからだ。フランスの田舎の人は嗅覚が衰えあのゴミの深いな匂いが感じられないのか、はたまた良い匂いとして感じてしまっているのか。友人の反応からすると、後者かもしれない。他国なら不快な匂いは想定内であるがフランスでは考えられないことである。少なくとも40年前にはこのような匂いは南仏には存在していなかったから。

2014年

8月

05日

ドイツ、チューリンゲンの森

ドイツのチューリンゲンの森のアリの巣は森の匂いがするという。日本の青木が原の樹海にはヒンヤリとした松の匂いがただよっていた。しかし、この時期周辺の水辺、たとえ白糸の滝という名所でも地面のカビ臭い匂いがありがっかりしてしまう。匂いは温度、湿度に大きく影響されてしまう。森の匂いは南アメリカ大陸の中ではピンとした匂いがありこれは大木から出る樹脂の香料の匂いで薬としての役目も担っている。日本の森のスケールの差がある。

2014年

8月

02日

お金の匂い

お金の匂いという言葉の響きにうまい話と意味もあるが、今回はお金の本当の匂いの話。お金には札、コインがある。コインの方、5円、10円、50円、100円、500円のお金には、メタリックノートという匂いがある。香水では1970年ごろが全盛期のグリーンノートの香りにこのメタリックノートが登場していた。グリーンノートは一方でメタリックな匂いにも関わるのである。働く女性に似合うグリーンFLORAL。このメタリックノート、お金の匂いはキャリアウーマン時代を開花させた、強い女、を表現したのである。

2014年

7月

31日

ジャコウ

香草のTHYMは和名をタチジャコウソウという。ジャコウの名がついているのは良い匂いがする、匂いが強いという点からであろう。イタリア料理には欠かせないハーブでもある。他にもジャコウ鹿、ジャコウ牛、ジャコウネズミ、ジャコウ蝶とジャコウの名がつけられているものがあるが、香水に使用されているのはジャコウ鹿の合成香料のみである。美しい残り香をつくるのには大切な不可欠の香料である。ずいぶん前にはジャコウネズミの香料も使っていた。これはいろいろ調合されて似たような香りになっていたものであったと記憶している。

2014年

7月

30日

アロマコロジー

薫香が世界中で宗教儀式に必要とされていた理由の一つにその香りが<人の心に影響する>からであるという。

香りの力には気持の高揚と鎮静の相反する力がある。そんな香料の現象はアロマコロジーという。

 薫香のなかで最高級は伽羅の木。その中に入っている樹脂化した香料が凄い匂いを発する。清らかで重厚。

木は長く生きる植物である。かんきつ系の王様、BERGAMOTE。この木にできる実の皮から香料は採油するがその皮を100年ほど乾燥した状態で放置していったものからはもう、BERGAMOTEの香りではなく美しい香木のようなものに変化した香りになっている。年月は香りを組織のなかで変化させる。その最たるものが沈香、伽羅の沈水香木である。

2014年

7月

28日

フルーティーな香りの香水

先日フルーティノートの香水講座を行った。さまざまなフルティーな香料はグルマンノートといわれる香調を作ることができる。食品香料としても使用されている。この香水を使用された方からの報告。ーーつけると飼い犬がすり寄っていくくるーー。お菓子が大好きなお犬様は欲しいとおねだりしているわけである。匂いだけでお菓子など無いわけだが、どこかに隠れていると信じているところが何ともかわいい。ダイエットをお望みの方へーこの香水でおなかが満たされることはないでしょうかー

2014年

7月

26日

原風景

原風景は一般には田舎を思いださせる。原風景なる言葉の中に風がある。田んぼで稲の生育するにつれて、黄金色の実りの香り、藁の匂いが伝わってくる。その役目は風。春には畑で柔らかな色の花の香りが飛び交う。ここにも春の風。

原風香なる考えもある。

2014年

7月

25日

濡れた犬の匂い

犬を飼っている方なら濡れた犬の匂いをご存知であろう。もっとも室内犬ではこの匂いが弱いかもしれない。

キク科のコスタスという根から採油していた香料はまさにこの匂いがしていた。香水では動物性の香りの役目をになっていたものであるがそれは過去の話。産地はヒマラヤ。これも香料の不思議に属する。外飼いのシバ犬が雨に濡れたときにでも嗅ぎながら貴重な香りに思いを馳せてみてはいかがであろう。

2014年

7月

24日

おしろい花

おしろい花咲いています。この花の香りはジャスミンとネロリの中間的な香り。おしろい花とはよく言ったもので粉っぽく、さすが夜咲く花。風にのって香りが漂う時などまさに昔の女性が鏡台の前で顔にお白い粉をはたいているような香り。また、湯上りの石鹸の残り香のようでもある。花の色は黄、ピンク、白、赤、ハワイアンカラーである。

2014年

7月

23日

香匂、フランス語

日本語には香水、香り、匂い、臭い、薫りという言葉があるがフランス語は香りという言葉にこんな単語がある。

fragrant,parfum,odeur,senteur,embeaumer,aromeなど。

アイスクリームを選ぶとき、どんなparfumがいいですか、と聞かれ驚いたことがある。vanille,franboise、chocolatから、vanilleと答える。味覚もおしゃれにparfumでいく。また、au

parfumは耳より情報なる見出しで使用されていた。

2014年

7月

22日

古い店舗の匂い

朝のことであるがいつもはしまっている店舗の入り口の戸めづらしくが開いていた、その前を通りがかったとき、プーンと匂った。湿気からくるカビの匂いである。入り口が南向き両サイドに店があり陽の光は入らない住居兼の店舗。日本家屋は共通してこの匂いが築10年もすれば出始める。欧州にはない匂い。この匂いがわが家の匂いといって愛おしんでいる人もいる。本当はカビが充満して体に良くないはずなのだが。

2014年

7月

19日

水増しのコロン

天声人語に語られていた内容からの話であるが。画家セザンヌの作品に赤いチョッキの少年シリーズがある。この赤色は女性にいわゆるもてる色だというデータがあるそうだ。また、夏目漱石の作品、坊っちゃんにも赤シャツなる人物が登場する。この場合は赤い色はもてるという意識ありで着ているのであるが、男が赤い色を着て持てようとする日仏の赤色合戦。セザンヌが女性に人気を得るためにチョッキを赤色にしたのかどうかは不明であるが。男たるもの色で上げ底せず、中身が伴った本物をめざすべきであるという、論。赤の力はせいぜい水増しのコロン程度、即ち匂いがあるかなしかの香り、そんな程度の香りでは辺りの女性をひきつけられない、ということらしい。ここでも、持てるために香りが道具として登場しているのが、一般通念として興味深い。

2014年

7月

19日

Coletteフランス人作家と香水

コレットといえばフランスを代表する作家、彼女が60代でなんと化粧品会社を始めたのである。時は1932年。

courbevoieという町。ここは大手GerlainやChanelが軒を連ねていた場所です。専門外のことを始めた結果うまくいきませんでした。その後作家に専念して傑作を残しています。Coubevoieの工場をたづね香水を嗅ぎ、、ファンデーションの微妙な色合いを選ぶ当時を偲ぶのもいいかもしれませんーーこんな内容の記事を読んだ。流石にフランス、香水は象徴なのである。

2014年

7月

17日

parfumeur Francis Kurkdjian 来日

francis Kurkdijan
francis Kurkdijan

先日今話題の調香師来日、お会いしました。謙虚な方です。新作a la roseの紹介のための来日。表参道近くの結婚式会場で、素敵な演出でした。

2014年

7月

14日

クレープジャスミンの香り

クレープジャスミンは木である。クチナシのように白い花が今咲いている。香りはジャスミンとネロリの中間のようである。そばに鼻を近づけないと香りがしない。風があればいっそう快く感じる香りである。おしゃれな洋風な香り。

2014年

7月

12日

夢と匂い

匂いの付いた夢をみることができる人は限られているそうだ。夢は記憶の産物である。記憶に香りが組み込まれていなければ不可能であるからである。

昨日、みそ汁の匂いが夢に現れた。これまで8回ほどいろいろな匂いが出てくる夢をみた。調香師の経験が長いほどみることができてくる。不思議にも夢の中で考えているテーマの香りが出てきたことがある。夢の中で調香しているのである。いったいこうした現象はなぜ起こるのだろう。痛い、悲しい、苦しいといった心の奥に訴える経験のある内容はほとんどの人が夢において経験している。匂い付きの夢は人口の2%くらいの人しか見ることができないそうである。

2014年

7月

11日

お菓子職人のレシピ

Sebastien Daudard
Sebastien Daudard

フランスの有名なパティシエ Sebastien Gaudard氏がBonzourJAPON誌で述べていた内容に共感した。それは全く香水にもいえることだからである。ー15年間僕は本当にモダンで斬新なケーキを作ってきた。柚子や抹茶なんかの日本のフレーバーもよく使っていたよ。でももう、それもお仕舞い。これからは伝統フランス菓子のレシピ。しかもそのケーキが生まれた時代の誕生起源のレシピで作るんだ。究極のフレンチケーキだよ。-同じ気持ちで香水、伝統の処方テクニックで挑んでいる。(Hanayo Collection)

2014年

7月

10日

加齢臭

加齢臭は生活が豊かになって登場してきた言葉である。年齢がつくる人間の香料。一方幼児には独特な匂いがある。幼稚園、保育園などで嗅ぐ独特な匂い。さらには赤ん坊が出す匂い。臭いとやり玉にあがるのは加齢臭だけである。この匂いをたくさん嗅ぐには図書館。じっとして読み込むとき出ているようである。むろん加齢の人々が滞在の時間である。この匂いの正体は花にもある香料成分である。自然が作り出す匂いはツキサス様な匂いではなくもったりしている。対策商品もいまいちの感がある。自分の出す加齢臭をまずは知っているか、感じているかが問題でなのである。

 

2014年

7月

08日

足の匂い

足には嗅紋なるものがあるという。足の裏から出る匂いが人それぞれ違う固有のものだという。目の悪い犬などが飼い主に懐き他の人との区別はこの嗅紋からでる匂いによるらしい。音にも敏感であろうが飼い主が遠くからくるのが匂いで判断できる技を持っているのである。この匂いは香水でいえばラストノートに使用する匂い立ちのわるいものが香料成分である。しかしながら、動物臭であるのであるがこれは猫の足の肉球に感じられるほっとする、不思議な匂いに共通するものがある。足の裏は重力に引っ張られ地面からは抗力を受ける場所。力の張合いで不思議な安堵感のある匂いが出てくる。花の匂いにも通じる安息の類の匂いがある。真剣にあらゆる人種の足の裏の匂いを嗅いでみたいものである。

2014年

7月

07日

お相撲さんの鬢づけ油の匂い

名古屋場所が始まる。浴衣姿のお相撲さんからあまい香りがする。それは、ちょんまげの髪結いのために使用される鬢ずけ油に付いている香りである。おそらく髪をしっかり結い上げるため特殊な油が必要でありそれには基剤の匂いがあるはずである。その匂いを抑えるために香料は重くあまいオリエンタルタイプといわれるデザインが合う。オリエンタルタイプの香水にはゲラン社のShalimarがある。最も残香がある香水タイプである。昔はこういった香りをジャコウの香りと言っていたようで小説にもよくこの表現が登場している。さて、お相撲さんは行司の掛け声で力いっぱいマワシをつかんで、このオリエンタルノートがセクシーに香る、、、。凄い場面である。

2014年

7月

05日

昆虫と匂い

アメンボウは飴の匂い。モンシロチョウはレモンの匂い。ハンミョウは青リンゴの匂い。カメムシは臭い匂いといったふうにいわれている。捕まえられたときに発する匂いで仲間に危険を知らせ敵には忌避をせまる匂いである。これらは人間がターゲットに作られているわけではなく鳥や昆虫がそのターゲットであろう。アメンボウの匂いは他と大きく違う匂いであるがほとんどは香水ではトップノートに使っている香料である。混ざってミドルノートを引き出していくために使う。とりわけ、カメムシの匂いはシャネルNO5に欠かせない。

2014年

7月

04日

脂(やに)の香料

人間の体からは目やに、鼻クソ、耳あかが出てくる。このうち目やには樹脂のように固まってくる。これは中近東の

樹脂の香料,乳香のようだ。むろん目やには匂いはないが液体が固まり樹脂化する点がおもしろい。乳香ははじめは白くお乳のようで時間がたって固化し黄色くなってくる。香りは香にも通じる落ちつきのある匂い。殺菌力にも優れている。中近東の国々では儀式に欠かせない。また、焚いて香りを煙状態にして店などにその香りの煙りを売る香料職人がいる。清めのため、商売繁盛のため必要とされている。香師にはラストノートに必要で他のムスク、木などと一緒になって良い香りになる。

耳あかにはかすかな何と言えないエニシダの残香のような匂いがある。耳あかには乾燥タイプ、湿りタイプがある。前回の腋臭の匂いはこの耳あかが湿りタイプに生じる。これは垢なのであろうか。スパイス香料クミンはこの腋臭ににている香りである。

2014年

7月

03日

向田邦子の嗅覚感性

緻密で頭脳明晰さがエッセイ、小説にもまるでミステリーストーリーのように繰り出す。旅好きな方であったのであろう、人が行かないところに足を運んでいらした。その中でアフリカでのことが書かれていた。読んだとき匂いを共にした。-暑さと湿気もかなりのものだった。恐らく40度は越しているだろう。風が全く無いせいか、じっとしていても汗が吹き出し、シャツにしみを作る。何を考えるのも大儀になる。青みどろ色で薄い屑でも流したようなねばり気のある湖の水は、クロレラの煮える匂いがして胸がむかついてくる。-他の文のなかにも随所に素晴らしい表現が見られるが不思議に人が好きな快い香りよりも苦手な匂いに関することが多いように思う。例えば腋臭の匂いがでる文もある。そこには機械油の匂いも登場していた。腋臭は日本では大変嫌われているがことフランス、イタリア、スペインではそういった感覚は持ち合わせていないと感じた。今サッカーワールドカップたけなわ。汗と興奮の中、強豪の人種はかなりの腋臭を持っているはず。競技場は観客と一体となった腋臭の良い匂いに包まれていることであろう。「

2014年

7月

01日

東松照明の写真

東松照明氏の沖縄時代の写真に釘付けになった。真夏のサトウキビ畑で牛と老人が写っている写真。それまでこの写真家を知らなかったが雑誌かカレンダーになっていたものでもそうなってしまった。切り取り壁に貼って眺めている。後に偉大なる人物の作品と知り感動している。写真からサトウキビ畑の枯草の匂い、真夏の太陽から出る温度、空から、来る過酷な乾燥、そして静寂、が実感できたのである。写真がなくともいつでも沖縄の畑の真夏を感じることができてしまう。匂いを漂わせる風すらない。暑い。一瞬の写真であるのに永遠の記憶が刻まれてしまう。それは匂いの記憶に似ている。魂の写真家である。

2014年

6月

30日

辻井伸行と藤の花の香り 

ラフマニノフが晩年過ごした家、スイス。湖畔の家を辻井伸行氏が訪れ、尊敬する作曲家、ピアニストのぬくもりを感じていらっしゃ様子がTVで映し出されていた。庭にでると藤の花が満開でありその香りをかいでいらっしゃる様子が印象的であった。おそらく私たちがその香りを嗅ぐ以上に嗅ぎこまれていたに違いない。ラフマニノフの曲の音がピアノの鍵盤以上に創作されて演奏されているように。自然の景色の美しさを音に託す作曲家は多い。風の音、木々の揺れの音はもとより、光の移り変わる音、雲の流れる音、湖の湖面に映し出される景色の音、これらは特別な嗅覚で音に伝達されていくのであろう。藤の花の香りはバラの成分、スズランの成分がかさなりあっているいわゆる花、ミツバチの好む香りである。ラフマニノフはロシアから苗を取り寄せたとのこと、日本の藤の花の香りとは異なっているかもしれないが。

2014年

6月

27日

嗅覚と記憶

匂いと脳の海馬の研究が盛んである。早速 被験者の方に香りの記憶力をためす。

集中性が一番要求されるがその前に嗅覚の感度、脳の感度が必要である。緊張感がなくなるとやはり記憶力が落ちてくる。匂いの差、違いを記憶していく作業はかなり難しいようである。この力が匂いを記憶することになる。音の記憶は比較的日常している行為だがこと、香りや匂いは難しい経験であるようだ。調香師はそれを生業にしているが嗅げば嗅ぐほど誰でも力が備わるのである。絶対的に匂いを覚えてしまい、記憶の装置に入れてしまうための方法を模索していくことになりそうである。

2014年

6月

26日

1954年発売香水

CARON社のPOIVREは1954年発売の香水。2014年の今時の流れのを伴った香りを開封します。過去、この会社のヒット商品はそのネイミングが大きく関与している。香水黒水仙、石の花など。この両者、外国映画の名前にもなっている。黒白映画の時代である。黒水仙は黒いチューリップという名の映画もあって黒色に付加されるものが大きいのであろうか。実際の黒水仙の花の香りは臭い匂いらしく日本では石川県の白山に咲くらしい。香水黒水仙は成瀬己喜男監督の映画、女が階段を上がる時、という作品の中で登場する香水である。高峰秀子が演じるクラブのママがそれをつけている設定。実はこの香水のため結婚詐欺にあってしまうくだりもある。加藤大介演じる詐欺師がママのそばで目をつぶり ーイイ匂いダナーと香りを吸いこむ姿が持てない不細工な顔と相まっておかしい。高級香水黒水仙のかもしだす物語である。さて、POIVREはその名のように胡椒かそれとも胡椒農園の植民地の暑いエキゾチックな香りか、楽しみである。

POIVRE
POIVRE

2014年

6月

25日

シャシャンボの花

東山植物園でもうじき咲き始めます。木の花で、小さい花です。香りはユリに似ています。

シャシャンボの花
シャシャンボの花

2014年

6月

23日

香りの正体 

タイサンボク
タイサンボク

朝いつもの道でローズにも似た香りを一瞬感じた。あたりにはバラの花は見当たらない。翌日東山植物園でその花の香りの正体を知った。今、背の高いタイサンボクが大きな白い花を咲かせている。スズランのような花の香りである。花は上を向いているので風がその香りをあちこちへと運びその香りの入いった空気の位置に鼻があった場合に感じることができる。その間に香料の成分も変化してくる。あの、朝の香りはかなり遠いところの庭から運ばれてきたものであろう。風が運ぶ、目には見えない香りの入った空気の存在。こういった風の役割はかなり前から認識されていたのである。平安時代身分の高い人々の衣装に香を焚きしめる習慣があった。風はその香の香りを辺りの人へ運び届ける。それが追い風用意である。香の香料は焚かれ、衣につくと一層重みを増し香りが立たなくなる。風といっても空気の動き、柔らかな動きでゆらりと運ばれるのが望ましい。上から下へと風が通りやすい貴族の屋敷こそ、香の美しさを楽しめたのであろう。タイサンボクの素晴らしい香りを嗅ぎに東山植物園にお出かけください。

 

2014年

6月

21日

強い匂い

ある朝地下鉄の駅への道すがら飛び込む匂いはたばこの匂い。息を止めて足早やに歩く。やっと改札口にたどりついてまた、匂い。運動部の中学生の集団がどこかに練習に行くようだ。洗剤、柔軟剤たっぷりの匂いが鼻を刺激する。お家のかたは汗の匂いやら若い男性ホルモンの匂いやらを抑えたい一心でせっせと香りの強いもので洗濯するのであろう。昨今問題になっているこういった現象は30年以上前の朝シャンブームを思いださせる。むろん匂いの差はあるが香りのしっかりしたリンスに女子高の朝のHR、先生方はおおーっとなっていたようである。早く窓をアケローと。

汗、ホルモンの匂いも強い香料にマスキングされているにすぎない。限度を超えてまでも覆い隠す必要性があるのであろうか。一度、一切匂いをセーブして野山、植物園に出かけ嗅覚を休め、かすかな自然の匂いの在り様に気付いてみてはと思うこの頃である。

2014年

6月

19日

香水とモード

モードと違い香水は50年も同じデザインで販売されている、と最初にオートクチュールデザイナーとして香水を発売した人は語っている。その人はPaul Poiret。モードが秋冬とデザインに大忙しの中その服につける香水はいつも同じ香りでなんら不思議はない。香水は歩が良いという意味である。そういえば、香水の王様,CHANEL NO5はもうじき100年を迎えようとしているがいつもベストセラー。香水業界において幻的存在のモード界からの発売香水である。

2014年

6月

17日

クチナシの花の香り

クチナシの花を花瓶に活けてみました。だんだん花が萎れてきます。葉は一方いきいきしています。花の香りは花が萎れている状態でも活き活きしていつも同じ香りです。普通萎れた花の香りは良い匂いはしないのですが。不思議な花です。

2014年

6月

16日

クチナシの花

クチナシの花の香りは枝から切ってもそのまま変わらず匂いを出し続けている。ハワイの花プルメリアにも同じ香りの成分がはいっている。花はしっかりとした表情を持ち風で形が崩れたりしない。一方的に出してくる匂いの保持者、クチナシ。真っ白からだんだん黄色に変化していく。これはスイカズラに似ている色の変化。

2014年

6月

14日

街の匂い

今朝クチナシの花の香りが、ポッカリ雲につつまれたように道に浮かんでいる。ほんの一角に。クチナシは人間に必至で知らせに来るがドクダミはそうではない。しかし触って引っこ抜こうものなら凄い匂いに逆襲される。やはり植物は頭脳が優れている。

2014年

6月

13日

匂いの表現

向田邦子ほど言いえて妙な香り、匂いの表現をしている作家がいるであろうか。墓碑にこんなことが書かれているという記事を読んだ。

花ひらき、はな香る 花こぼれ、なお薫る

向田氏は香水が好きであったという。きっと嗅覚にも優れていた方であろう。

ー寝ぐさいーこんな匂いの表現を見つけたとき凄いと直感した。

2014年

6月

10日

ドクダミの花と葉の香り

ドクダミ
ドクダミ

ドクダミの花が咲いています。真っ白な花。この花の香りと葉、茎の香りは似ています。ひとつの草で全部分が香ります。これは大変めずらしいことです。バラの花は良い香りがしますが葉はバラと同じ香りではありませんしいわゆる葉の香りがするにすぎません。ドクダミの香りはaldehydeという香りです。香水の組み立てに欠かすことができません。また葉、柑橘系の皮、花の咲き始めなどに香る香りです。

2014年

6月

09日

自然が恋人

寺田寅彦は物理学者にして漱石の弟子であり、じつに興味深い言葉を多く残している。不思議にもこの方の生きた時代はフランスのモード、香水、文学においてもいまだに多くの知識の宝を提供してくれている。両国とも何故この時代に一致しているのか。

寺田寅彦はー科学者になるには自然を恋人としなければならない。自然はやはりその恋人にのみ真心を打ち明けるものである。ーこの抜粋はある記事の中から見つけたものであるが自然の中の香り、匂いを研究していく毎日の中で、実感している。確かにそっと香りの秘密を教えてくれる仕組みはまるで妖精を恋人としているようである。

2014年

6月

08日

変わった匂いの花とユウレイタケの良い香り

栗、カシ、ナラ、クヌギなど、秋の実、どんぐり、栗をつける花が咲き始めました。少し変わった匂いを感じましたら辺り、上の方を見上げて下さい。房状の生成りの小さい花が見つけられます。決して良い香りとはいえませんが、このような何ともいえないタイプの香料を香水に使います。中立の立場で香水の組み立てに貢献します。もちろん上記の花から香料をとるわけではありません。

 

ギンリョウソウ(ゆうれいたけ)が咲いていますようです。

ずいぶん前に嗅ぎましたので記憶は定かではありませんがとても冷たく透明感のある良い香りがしていたように思いました。嗅ぐためには湿気のある山の暗いところに行かなくてはなりません。

2014年

6月

06日

クチュリエの高級衣装の役目

GOGUE JAPANの記事に以下の文があった。<偉大なクチュリエだったクリストバル・バレンシアガは、あなたの服は女性を洗練させるかと問われて=その女性がもともと洗練されていなければ不可能です=と答えたという。>

さて、かっての偉大なる香水デザイナーROUDNITSKAやROBERTはどう答えていたであろうか。

ーあなたの香水,FEMME、は女性を洗練させることができますか。あなたのEAU DE GUCCIは女性を洗練させることができますか。ーやはり彼らは同じ答えをだしていたと思われる。香水をデザインするときそのクライアントを想定し生活スタイル、例えば、好みの衣服、宝石、靴、レストランなどを参考にしますがそこには人々の憧れの豪華な生活スタイルがあるのです。そうです、すでに洗練されている方々のために新しい香水を作るのです。衣服、香水は既にお持ちの洗練さに更なる輝き洗練さを加えていくための道具に過ぎないのです。その方は周囲の人を引き離し「一層素敵になっていくのです。

 

 

 

 

2014年

6月

03日

スイカズラの花

スイカズラ
スイカズラ

今咲いています。とても良い香りがします。それは楠の花に少しJASMINをくわえた香りで、すがすがしい中にも香水調が感じられます。野生のものは平和公園の中で見つけられます。パリのバンセンヌの森の高級アパートの鉄製の柵の塀に絡んでとても良い匂いを放っていたのを思いだします。

クチナシも咲きだしました。あたりを見回しても姿は見当たりませんが何処かに咲いています。

 

 

2014年

6月

01日

6月22日 日曜日 東山植物園の香水講座

::この日は1時からー香りをたのしむ植物園ー

 ミカンの葉の香りを数種類嗅ぎ比べます。花の時期は終わっておりますので葉になります。ミカンは花、葉とも香りさらに実も香り、これほど香りを出すものは他に例がありません。消臭効果、リラックス効果、に優れています。主成分のリモネンは油汚れ,風呂場での垢の付着を溶かします。それ自体揮発性油なのです。蝶がこれらの葉に卵を産み幼虫はこの葉を食べて蛹になります。ひたすら食べる音はむしゃむしゃといった感じです。苦いであろう味はその成分が蛹に必要なのでしょう。幼虫が食べながら出す糞はやはり柑橘系の香り。食物連鎖で鳥はこの香りは嫌いなようです

     リモネン、と苦み、エゴミの香料を嗅いでいただきます。

::次に1時半からー天然香料を使用して衣類用香水を作る、講座ー(植物園への申込みが必要です

     爽やかで優しい香りをつくります。寝苦しい夏にも役だつ香りです。

 

 

2014年

5月

30日

月桃咲いています

沖縄県の花とでも言いましょうか、南の島にこの時期咲き誇り沖縄の香りを放っています。葉も裂くと花とは違いますがカンファリックな良い香りがします。今この不思議な花と取り組んでいます。昨年はせっかく沖縄より蕾も含めて花をいっぱい送っていただいたのですが輸送の段階で発酵状態で香りは嗅ぐことができませんでした。花はデリケートで切られた段階で茎より物質を出し水は濁りはじめます。やはり地面に根を下ろしている状態が望ましいのでしょう。

香りはカンファリックでユーカリにも似た成分が感じられ、フルーティ成分とうまく調和しています。沖縄の暑い夏、風に吹かれて人々に届けられる香りはとても涼しげで明るく若々しいものです。太陽、海が合致したデザインといえましょう。自然は匂いの調和のモデルをこうして教えてくれるのです、景色、味、音と同じように。

 

月桃の花
月桃の花

2014年

5月

28日

坊っちゃんとマドンナ

天声人語に書かれていたことを参考に。

漱石の坊っちゃんの一節に次の文がある。「何だか水晶の珠を香水で暖めて掌へ握って見たような心持がした」マドンナを初めて見たときのような心地、、

マドンナに香水の香りを感じているのはこの時代如何に香水が舶来で高価で最高の女性にふさわしいかを語っているのではないであろうか。香りは実体がないにもかかわらず感じるのである。特に漱石の時代、香水という言葉自体が特殊な場所で特殊な人々に使われていたに過ぎないものであったであろう。上流階級、お金持ち、そんな世界に存在した舶来香水、その香りは水晶に香りが馥郁と移り伝わるほど濃厚な天然香料が調合され、まさに一滴が宝石の如く輝く香水の世界であったのである。

2014年

5月

27日

東山植物園

バラが満開でした。パパメイアンの赤いバラは柵の奥で直接嗅ぐことはできませんでした。浮雲の薄いピンク色のバラはとても上品な香りを放っていました。そのほか桐の薄紫の花、大葉モクレンの花、芍薬の花が良い香りを放っていました。

桐の花
桐の花
大葉モクレン
大葉モクレン

香水講座

中日文化センター第2期香水講座

6月11日ートロピカル香水つくり

好評の香水講座です。今回はカリブ海のバカンス、思い切りフルティーな夏の元気いっぱいの香りを作ります。

香料はプロの香料カシス、マンゴ、ブラックベリーの成分に合わせ貴重なブルジョンドカシスのグリーンノートをジャスミン、組み入れます。かってのエスカダfaragranceを思わせます。

一度使用したら忘れられないonly oneの香り。今香りは自分で作り使い切る時代です。

嗅覚を磨きながら集中した時間を中日文化センターでご一緒下さいませ。お問い合わせは中日文化センターへ。

tel 0120-53-8164

2014年

5月

20日

東山植物園ー花の香りのお話ー

5月25日㈰ 午後1時から30分程度

ー東山植物園植物会館前集合ー

バラの花の香りの話です。

バラ園で花の香りの成分-rosep.geraniol,rhodinolを各人で嗅覚を駆使して確かめます。

香料をお持ちいたします。また、10名様にバラのミニ香水を差し上げます。東山植物会館にて1時にお待ちいたしております。職員の方もご一緒していただけますので質問もできます。

2014年

5月

19日

咲いています―オレンジの花

今、柑橘系の白い花真っ盛りです。香料として今、入手困難、値段も大変高い花の香りです。チュニジアで採油されます。水蒸気蒸留という方法です。その時いっしょにネロリ水が採れます。土地の人はこれを飲んだりパンや料理に使ったりしています。

当店ではご注文をしていただきますと1本16ml¥3800でeau de neroliをお出しいたします。とてもナチュラルで花、花のむせるような香りです。フランスの調香師たちは花といえばネロリでした。

2014年

11月

07日

新しいブログを書く

松本清張の小説の中に、絵の題名がでていた。それは細道の香という名。絵はどんなものか想像でしかないが、この名で香りのデザインを想像するのと似ている仕事。松尾芭蕉の奥の細道から自然、木が香料に思いうかぶ。だいぶ前のことであるが、青山にフランスのお菓子、LE CONTEが出店した。フランスのお菓子ブームの走りであった。シェフのルコントさんと香水の名前について話をしたことがあった。それは白い花の香りについてのネイミング。春一番に咲く花プリムベール、これは雪の土から春一番に咲く花でここのところをネイミングしてPERCE NEIGEがいいと。、雪を突き破るという意味である。結局はMADAME la BLANCHEにしたが。パティシエもネイミングは必須なのである。雪の名のフランスのお菓子にーデズーアラネージーがある。雪に浮かんだ卵の意味でお呼ばれのときこぼさないように大きな平たい器に入れて持参した覚えがある。キャラメルソースの中で自由に浮かぶプディングであり冷やして食べる。作ったのはpatisserie a la maisonのMadame CRESP。

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2014年

11月

06日

新しいブログを書く

VIGNY社のCOLLIWOGG

香調はオリエンタルタイプである。

この独特なキャップはアフリカンそのもの。

植民地で採油される香料を使用したということから調合は甘いオリエンタルノートになったと思われる。現在のものとは違って多くの天然香料が使用されているため残香も古き良き時代の香りである。

 

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2014年

11月

05日

新しいブログを書く

GUERLAINには4種類のオーデコロンがあり全種類がリニューアルされている。実に残念ながら全ての香調が香料の都合であると思われるが以前の全盛期のものとは違う。この写真はミツバチの浮彫模様のオーデコロンのデモ用フラコン。丸く貫禄のあるもので4種類はラベルで区別されていたが、現在のものはこれは使用されていない。

失われゆく良いものたち、海の沖へ流れていくように静かな退散。知っているものは少ない。

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2014年

10月

31日

ブルーアイス

ブルーアイス
ブルーアイス

葉にはいろいろな香りが入っている。葉の単純な匂いではなく一種の調合香料のようである。少し指で擦ってみると、ドクダミ、パクシー、柑橘系の一部、そして驚くべきはカシスの芽。一度この香りが空気中に出ると簡単には消えない強さがある。この強さは加齢臭と対等に戦える匂いである。おしゃれな匂いである。

2014年

10月

30日

女優

女優で美しいのはドイツ系のシモーニュシニョレ、ロミーシュナイダー、マレーネディートリッヒは知的で美しい。ジュリエットビノシュはドイツ人ではないがLANCOMの香水、POEMEに出ていた。香水の宣伝に女優を使用しだしたのはそんなに昔からではない。また、アランドロン、エリザベステーラー、などは自分の名前の香水を出した走りであった。POEMEはヒマラヤの青いケシの香りが使用されているというのが宣伝のポイントであったが実際はその香りの成分が少しは認められる程度。この時代の商品の特徴で分析ででた成分(合成香料)を入いれば十分めずらしい名前を入れ込むことができていた。トケイソウ、ライチ、砂漠の花、など。前述の2人の女優は人生の映画の役とまざり、どれが実際の人生かわからないほどであるように思われる。時代背景はナチスがちらつき、知的さが光る。美しさには悲しさが必要かもしれない。残念ながら香水の絡みはまだ、確認できないでいる。

2014年

10月

29日

紫苑

紫苑
紫苑

源氏物語に登場する紫苑は秋に咲く花。薄紫色。秋、幼子が紫苑色,撫子色、の濃淡の衣、それにオミナエシ色をまとい、草むらで虫をとっている。草の紫苑色にこの衣の紫色の濃淡、それをー紫苑ことごとに匂う空も、-とある。ここで問題なのはこの花、紫苑には香りがないことである。何故このように、書かれているのか、それは同じ系統の色彩で濃淡を順に重ねることをー匂いーと表現するという解釈があり納得。源氏物語はプルーストのー失われた時を求めてー

のように、美しい、貴族社会を語っている

2014年

10月

28日

楓の香り

今、楓の葉が落葉し始めている。楓は香る、それは別名,AMBER LIQUIDと言われるほど、薫香のように感じる香り。このAMBER LIQUIDはクジラの香料のこと。昔はこの香料が無ければ高級感が出せない、必須の香料であった。今は天然香料は使用できない状態である。代用はLABDANUMか合成香料。楓の匂いは乳香に似ていると、昨年東京の浅草橋辺りで感じたが実際それは、楓だったのか確信できていない。いま、街路樹として植えられているこの楓がどこかで香りを出しているはずなのであるが。

2014年

10月

27日

フランス語のROSE

ROSE DES VENTS、直訳は風のバラだが、方位盤の意味。NE PAS SENTIR LA ROSE

直訳はバラを嗅がない、バラの匂いがしないだがーイヤな匂いがするーの意味。ETRE FRAIS COMME

UNE ROSEの直訳はバラのようにみずみずしいだがみずみずしい顔をしているの意味。全てバラの意味を出していないほど、バラは言葉としてバラではなく自由に君臨できる用語になってしまっている。フランス人のバラに対する思いが伝わる-ROSEー。世界中でもてはやされるバラ、香りも絶対的に女王の地位を保っている。

2014年

10月

25日

人間カメムシ

朝、9時10分。コンビニの前,たばこ吸い場所。黒いスーツ姿の男たち7人ぐらいが体を寄せ合って必死で吸っている。重なるような集まり方が一瞬越冬カメムシを思い出させた。安い背広、風貌の上がらない同じ背丈。小太り。臭いタバコの匂い。10分後、再びこの集団に出くわした、裏道、行く先はビッグカンパニーではないはず。やっぱり群れて歩いていた。カメムシ以外何といえようか。やっぱり、重なり、臭いはそれ。

2014年

10月

24日

楠木の実

楠木の実は緑から乾燥しながら黒色になってくる。緑の時は青い葉のような匂いがする。それが乾燥して、まるで胡椒のように皺くちゃになったものの皮を爪で削るとスパイシーな香りがする。楠木の下の地面辺りで拾って確かめてはいかがでしょうか。実は乾燥状態で2年経たものでもスパイシーな香りを放つ。楠木は樟脳という香料を採る香料作物である。

2014年

10月

23日

ハンドクリームの香り

これから市場はハンドクリームで活性化される。ある会社から頼まれてこのハンドクリームの香料をデザインしている。市場はユズ、柚子、のオンパレード、国内外ともの商品がそうである。しかも売れ筋の匂い。こんな中、柚子以外の売れ筋の香りの開発が必要であるというわけである。平凡ながらバラ、フルーツ、を頼まれる。ハンドクリームは手につけて、どのくらいの時間後にその香りが消え去るのが良いのか。市場品の匂いを研究していると手荒れのためよりも練香のようにその香りを楽しむ方もいるような香りの強さがある商品も見受けられる。さらにハンドクリームは製造段階で熱がかかるので、香料のその対処も必要になってくる。ほぼ完成したデザインを近々プレゼンする予定。

2014年

10月

22日

クリスタルのサンルイの初めての香り

eau de st.Loui
eau de st.Loui

1995年パリで発売のシャンデリアのST.Louiのはじめての香り。EAU ESTRAGON。葉、エストラゴンの名を使ったいわばオーデコロン。香りは薄くエストラゴンの香りを感じない。この時代にしては他社のような強いデザイン性はないが優しい薄い香り。むろんサンルイ社という名の知名度で女性誌のparfumのニュースとしては取り扱われていた。驚きはこの容器。アルミ容器で通常、香料会社が香料を入れるいわば裏方使用のもの。箱は流石マーブル使用の紙貼り。しかし安価な仕様。さらに驚きは値段が高いこと。製造ロットの少なさ販売ルートの無さが浮かぶ。その後話題に上ることはなかった。クリスタル関係ではラリックの香水(オーデトワレ)が一番にぎやかである。

2014年

10月

21日

guerlainのmuguet

GUERLAINのmuguet
GUERLAINのmuguet

めずらしい1997年限定版。パリで200mの行列で購入。成功したのでその翌年も製造。しかし、年々、香りの内容落ちてきた。日本に限定版で売られたころには全く初回の香りとは程遠い内容。写真のものは復刻版として出されたものであるが、その復刻のモデルがわからないので何とも言えないがリッチ感のあるスズランのシングルフローラルタイプである。COTY、CARON社のそれぞれのmuguetとは違うのは確かである。

2014年

10月

20日

グリーンティーの香り

グリーンティーのパッケージ
グリーンティーのパッケージ

先にパッケージイメージでスタート。今までにグリーンティーの香水はヒットを飛ばしながらも廃番の道をたどっている。さわやかなグリーンノートは葉の成分が必須である。そしてクリアーでの一貫性を持つこと。若い方が好きな香りである。

2014年

10月

17日

10月26日東山植物園にて香水つくり

東山植物園の秋祭り始まっています。26日日曜日10時より植物会館内で花の香水つくりのイベント開催。

自由に予約なしで作ることができます。参加費は¥600です。乳香の話をして香料を10名様に差し上げる予定です

 

2014年

10月

14日

2度咲き金木犀

今2回目が咲き始めた。秋の澄み切った空気に良く通る香りのデザインである。立ちが良く、桃のフルーティに支えられ後から押し上げる匂いは花の生命線的香料の技。秋も地味ではあるが春や夏の花と似た香りを出していることに驚く。白洲正子氏の母上が香三昧、しかも伽羅の香木を焚きそれにいつも包まれていたという。が、煙はかなり重いと思うが一等の宝石位の最高級の伽羅に関しては余程違うのであろう。西方浄土から仏が良い匂いを立ち昇らせながら死者を迎えにくる匂いと似ていたのであろうか。

2014年

10月

11日

香料の旅

サンパイア、フジバカマ、竜脳
サンパイア、フジバカマ、竜脳

香の老舗の工場へお邪魔した。現在研究中のテーマに必要なフジバカマの原種の香りを教えていただいた。さらに珍しいサンパイアの木、これは南米産。美しいすがすがしい木の匂いがする。竜脳は主成分がやんわりといろいろな木、樹脂の匂いにサポートされている。普通では入手困難な香りの植物。予期せずの香料の旅での収穫。知識こそ、感動できるものはないと思う。この日に東寺の風信香の香りも確認し、またも知識を得た。帰りの新幹線の席の隣の人からのタバコ(服に付着)の匂いでがっかり、苦しい思いであった。

2014年

10月

08日

香りの混合

香水講座でのお話。シプレー調の香水をつくったところ、どうも、クラシックすぎて使いにくいので、、。

最も今風なオードトワレをつくりこれにその香水を3%くらい混合。みなさんお試しされ納得された模様。

こんなこともできるのが調合の楽しさである。すこし無謀かとも思いますが、、。お手持ちの香水などでお試しください。

2014年

10月

06日

台風の匂い

台風の風と雨の匂いは確かに生臭い。生温かい空気によってあたりの匂いが取り込まれると冬の冷たい時の雨の匂いとは違う。生温かい風が黴菌の繁殖した匂いにさせて腐る一歩手前の匂いにするのか。青深泥の匂いがする。

向田邦子氏は香水の香りに関しては香料という言葉を使っている。林夫美子氏とこの点一緒であるがどうして香料なのであろうか。香料という言葉には人為的な要素が加わり作られた匂いという意味で使用されているのであろうか。

2014年

10月

03日

匂いと香りと、、、

源氏物語のなかにこのような記術がある。今で言う室内の香りは空香と呼ばれ、薫香を焚き良い香りを漂わせるのである。ある法要で煙一杯にけむたいほどこの空焚きをしている。このありさまに源氏はこんなことをいう。空薫物はどこから薫ってくるのだろう、と、わからぬほどにたくのがよいのだ。あの、富士山の噴煙よりもひどくけぶるようでは、本来の心がけからはずれてしまう。と。貴族作法の優雅さと折しも御嶽山の噴煙に重なりいつの世も同じ。ほのか、そこはかとなくが良い香り。

2014年

10月

01日

源氏物語の匂い

源氏物語の中にこんなくだりがある。末摘花が病気治療のためニンニクを食べたので臭くてたずねてきた男に会えないという。当時のニンニクはよほど原種的で匂いが強いものであったのか、あるいは末摘花がたくさん食したのか。

香 を焚きしめていた時代ニンニクの香りは香には隠れずに匂っていたのであろう。当時は口臭を隠すものはなかったのであろうか。また、ニンニクをどうやって食 していたのであろうか。生をガリガリとは考えられないがこれほど臭いとこのケースも想定される。何しろ末摘花であるから。

2014年

9月

30日

風と共に去りぬ香水

GUERLAIN社の香水の中にこの和名を持った香水がある。フランス語名はSOUS LE VENT。

風の下という意味。香りはGUERLAINのなかでは成功した部類には入っていなかっただけにやはり中途半端。

青い時、この名の香水と香りの詩という名の香水の中間的な香り。特有のトップノートのシトラス系は美しい。

2014年

9月

29日

カツラの木の葉

カツラの木
カツラの木

カツラ、桂の葉が黄変し始め落葉している。これは匂う。よく枯れた葉を裂くと、美味しい香りがする。

バニラとカラメルソースのにおい。丸葉でキュート。栞として本に挟むのに適している。

東山植物園入口にある。

2014年

9月

27日

京の香り

京の香り
京の香り

京都には特別な思いがある。近寄りがたき上等な何かを感じる。やはり一番良い日本があるのであろう。

京の宵、京の舞、2種の香りを創作した。

2014年

9月

25日

東山植物園にて香りを楽しむ植物のお話

28日日曜日、午後1時東山植物園の植物会館にお越しください。イランイラン、クレマチス、ハニーサックル、コスモスなどの花の香りを現場にて嗅ぎます。

10名様にイランイランの香りを差し上げます。

2014年

9月

24日

アベリアの花咲く

アベリア
アベリア

今この花が真っ盛りで香りを放っている。赤いものと薄ピンクの2種がある。咲きかけはバラにも似た香り。今は濃厚な粉っぽさをもった蜜の香り。秋なのに、精一杯春らしくしている。

2014年

9月

22日

最高のコーヒー豆

ジャコウネコがコーヒーの豆を食しその糞の中に実の部分が排出され、それが最高のコーヒーとなって飲まれる。

実を炒る時に、シナモンの木を燃やして炒るという。それはどうしてなのか。そばに桂樹は殺菌性と芳香があるからであろうか。

2014年

9月

20日

浮雲

林扶美子の小説、浮雲にこんなことが書いてある。安南、ユエで香水川と呼ばれる場所、、、。ここには楠、伽羅などがあるらしい。本当にこの名前であったのであろうか。時代は戦争中である。余談であるが浮雲という名前のバラは実に美しい色と、香りをもっている。この浮雲には多くの木の種類が出てくる。農林省の仕事が物語の背景にあるからだ。

2014年

9月

19日

金木犀

金木犀
金木犀

もうじき金木犀が香りはじめる。中国では九里香というそうだ。それはこの香りが九里離れたところにまで届くということから名付けられたという。花が少し開いたときには、その香りはフルーティノートがグリーンノートとあいまって

鋭く周囲に飛ばされる。まさに九里、36㎞の飛躍力。その後開花全盛の時にはもったりとしたフルーティ、桃とおしゃれなスミレに包まれてくるのである。セクシーな金木犀の花の香りは多くの人に語られ謳われるている。

京都、南禅寺の疏水橋のあたりは金の花をまき散らし香りの道はむせかえっている。

2014年

9月

18日

Guerlainの香水 CHAMADE

CHAMADE
CHAMADE

1969年発売のフローラルにオリエンタルのかかった香調である。日本名としての和訳はー熱い鼓動ー大変フルーティローズが多く使われていた。その後発売のNAHEMAほどは使用されていないが、シプレー調が多いGuerlainにしては大いに路線変更の香調である。さらに、Parureという香水は1975年にフローラルタイプで発売、これは完全に過去のGuerlain調,後にGuerlinadeなる言葉を誕生させているが、それではなくなっていた。このPARUREは宝石のVAN CLEEF ARPEL社の1976年発売のFIRSTに負ける形で販売はすぐ打ち切られた。この時代、実に多くのいろいろなジャンルの会社が香水というより、オードトワレではあったが発売をし始めそれに伴い流通経路にも変化が表れてきた。香料会社の調香師は大忙しに突入。日本も高度成長期を迎え化粧品会社はおおくの種類の香水を発売していたのである。

2014年

9月

17日

COTYの香水 MASUMI

MASUMI
MASUMI

1967年発売のものはグリーンノートのはいったフローラルタイプ。1976年再スタート発売品はグリーンノートは入っているがシプレーでムスキー系になって、調合内容が変わった。実におもいきった戦略である。実はcoty社ほど身売りが早い時期にから行われていた化粧品会社はまれである。優秀な内容の商品を販売していたのであるが。パリで元COTY社の化粧品研究にかかわっていた人物にあったことがある。カネボウ化粧品全盛期の時、彼はカネボウのパリの出先研究者として働いていた。全盛期にはデパートの1階で高級な化粧品と共に売られていたこのMASUMI香水は1976年ごろ、競合のメーカーには無い香りのタイプで多くのファンを持っていた。嗜好性を捉えていた香水であった。実際この香水のimitationをしてみると、なるほどと思う。1967年ものからデザインを変えた香水はなんとも言えない落ちつきがある。その名前MASUMIは日本人女性の名に由来している。もちろん、今はPARFUM DISPARU。

 

 

muguet compose
muguet compose

COTY社で売れていたのは、MUGUET des BOISであった。これは、MUGUET COMPOSE

という名前であり、めずらしい。スズランの香りである。スズランはCARON社のMUGUET de BONHEURも有名であった。C。DIORのDIORISSIMOはスズランというよりJASMINよりの香りであった。

シングルフローラル系の香りはやはり貫禄がでないのである。

2014年

9月

13日

葛の花

葛の花
葛の花

秋の七草のひとつである。もうじき咲き始める。花の色はワイン色からムラサキ、紫苑へと変化していく。香りは大変力強い。ひとことで、CHIRISTIAN DIORの1980年の作品 POISONに似ている。地味な景色になってきている秋の野山で華やかでたくましさを発揮している。可憐とは程遠い花、葉、茎、根。1日で10cm伸びてしまう茎。花の姿は落ちこぼれたものがまるで蛾、蝶のようで紫苑いろ。その後、実になっていくが毛だらけの枝豆に似た実になる。短時間でこいういった一連のシーンをこなす。根は漢方薬になり役に立つ。秋の野山で葛の一生の劇をみる機会も難しくなってきている。

2014年

9月

12日

伝説の香水ROSE JAQUEMINO

ROSE JACQUEMINOT
ROSE JACQUEMINOT

1904年発売のROSEの香水。ビン底にわずかに残っているからはchypre―の香りがする。シングルフローラルROSEの香りはしない。ROCHAS社のLA ROSEもやはりシングルフローラルではない。

この時代、シングルフローラルは高級感にかけていたのではないかと思われる。シングルフローラルはBREJOIE社のものが多い時代である。

写真のものは主にアメリカでうられたいたものであろう。キャッップはベークライト製。

2014年

9月

11日

伝説の香水CHYPRE

coty chypre
coty chypre

昔の調香師、1970年までに香料会社か化粧品会社で働いていた人、これらの調香師たちなら皆、この名前は知っているはずである。あまりにも有名であるからだ。

1917年作。名門 COTY社がこの香水を作り、はじめてこのデザインスタイルを提案。その後このデザインを持つ香水のタイプをその名前にちなんでCHYPREタイプと言っていた。

香料,PACHOULY、MOUSSE DE CHENE、BERGAMOTEを使用して作る。写真はそのものである。昔の香水たちは販売時期、販売国により箱、ビン、シールなどが違っている。しかしこういった良い天然香料を使用し作り上げられたものは中身はほぼ変化せずに残っている。色は光線で着色してしまうがほぼ香りには影響がない。トップノートは完全に消えているのはトップノートの香料の宿命であるがこの時代の香水はラストノートに重きを置くものであるからほぼ問題はない。香水の歴史は、その時代の環境、気候はもとより政治まで含めて映し出してくる。GRASSEのバラ、ジャスミン、ユーゴスラビアのMOUSSSE DE CHENE、インドネシアのPACHOULY、シシリアのBERAGAMOTE、レユニオンのVETIVER、労働者、植民地、が入り混じる天然香料の生産の姿が香水の製造に独特な姿をさらしてくる。

  第2次世界大戦前に香水をつけることができた人達 、貴族やブルジョワジーを思い、香りを嗅ぐ気分は優雅なタイムスリップでもある。

2014年

9月

08日

香水について話す

ある有名な美容家によって1962年の香水関係の本の中で書かれていた内容が以下である。

 

日本婦人の美容に関してこの頃特に関心を払う必要を感ぜられてきておりますのは香水の使い方でありましょう。その点、外人はいろいろの香水を非常に巧みに使いこなして、時に際し場所に応じて、自分の持ち味を生かして居られます。秀れた香水が醸し出す雰囲気というものが、その人のヘヤーデザインや服装に、、、、、もちろんその場の環境にも、、、、、ピッタリした時の素晴らしさ、、、その時こそ、その人の品性や教養を完全な個性美として浮彫りにしたものと申せましょう。日本では、この点まだまだの感のする場合が大変多いようです。香水の使い方を大いにご研究なさって、日本婦人の優れた美しさを十分生かして戴きたいと感じております。

 

ーーずいぶん前に書かれたものであるが実に香水の力、役割を美しい言葉によって表現されている。ここでの日本婦人は上流階級である。

 

 

 

 

 

2014年

9月

08日

青いバラ

青いバラ
青いバラ

ーー覚めても青い夢、、、-こんな宣伝を昔、見たことがある。某化粧品メーカーのブルーローズ香水の宣伝。

 

だいぶ後になってこんな句を見た。ーー寝ても覚めても夜が長い瀬の音ーーこれは山口県の俳人種田山頭火の作品。

 

さらには、ー分け入っても分け入っても青い山ーこんな句もある。よくできた広告代理店のコピーライトだと感動していたのに、、、。

 

 

2014年

9月

06日

provenceの城 roseraie

carpentrasの城 roseraie
carpentrasの城 roseraie

avignonに近いまち、Carpentrasに友人が住んでいる。そこにあるroserai。バラ園というの意味をもつ小さい城である。この辺りは PROVENCE地方。ワイン、ラベンダーで名が知れている。どんな城主がどんな統治をしていたのでろうか。マルセルパニョルの劇の舞台の様である。有名 な、chateau de ma mereは南仏の生活が手に取るように分かる映画。ラベンダー、タイムの香りが漂うのである。ラベンダーは清潔、タイムは殺菌の代名詞を持つ。

2014年

9月

05日

テレサテン つぐない再び

結論。西日のあたる部屋にいた男は浮浪者風で靴も靴下も変えずお風呂もはいらずひたすらナルドを自ら製造していた人。西日、長い時間たってもナルドの匂いは消えない。人間臭さがあって良いのだろう。

2014年

9月

04日

風と共に去りぬ

風と共に去りぬ
風と共に去りぬ

若い高校生のころ、この風と共に去りぬの映画、小説をどれほど、見、読んだことか。南北戦争、奴隷をテーマにスカーレットオハラとレッドバトラー、アシュレウイルクスの愛がからむ大作。4時間に及ぶ映画の放映は世界中の人々を魅了している。民族、文化の差を超える愛の魅力と戦いがそうさせている。でも、スカーレット役のビビアンリーはアカデミー女優賞に輝く裏で苦しんだそうである。レッドは口が臭かったのである。このことを知ったのは乙女の時代、感動に酔いしれていたころのずっと後。純粋にあの映画、小説に引き込まれ開けても暮れてもネーネーどっちが好き、レッド、それともアシュレ私はレッド、私もレッドでやっていたころのレッドだーい好きのずっと後。この事実を知った後の映画は、ビビアンリーの苦しみにご一緒させていただくことになる。ここも息を止めて、ここはがまんできるかなどなど、、。レッドの口臭で百年の恋も冷めてしまった。ついでにストーリーも別ものになり、内容も子供じみて見えてきてしまった。小説、映画などで感動を求めるのにはその人の年齢、経験の幅が重要ポイントである。レッド役のクラークゲーブルはローレンバコール(先日ご逝去)という才色兼備の女優が奥様。

 

小説ではスカーレットの母はフランス貴族出身でありレモンバームの香りをつけていた、母が歩くと衣擦れの音がしたと書かれている。

レッドバトラー
レッドバトラー

2014年

9月

03日

足のにおいと薫香

甘松香という香料がある。ナルドともいう。これは香水香料には使わない。所謂お香の世界では重要な香料であるらしい。源氏物語の宮様方のお香つくりにも登場している。この匂いは靴を履き続け靴下も変えずにいたと思しき匂いと似ている。靴からゆらゆらと登る足の匂いは強烈でゆうに1mくらいは上ってくる力がある。地下鉄の中での経験であるが人間がこれほどまでにスゴイ匂いが作れるとは、思わず前述の雅の世界と重ねて臭いというより感激である。太っちょで脂ぎったボサボサ頭の男は歩き歩き同じ靴、靴下で頑張ればこの匂いは作り出せる。雅の世界の甘松香。高木、スパイス、蜜などと混ぜれば優雅なお香の香りができる、ナルド。実に臭い匂いはいろいろな力を秘めている。

 

 

 

 

2014年

9月

02日

藤袴

藤袴の花
藤袴の花

源氏物語の時代、フジバカマは香りがしっかりしていた関係であろうか、と呼ばれていた。

フジバカマは葉を乾燥させて薬用にしている。実際、この香りはcoumarinというトンカ豆の成分の香りがする。これは残り香を作る重要な働きを持つ香料である。平安時代このよう香りは薫香を作るのに役だっていたのであろう。

秋の七草の仲間である。東山植物園でももうじき花が咲く。葉と花の香りを嗅ぐのも楽しみである。両者の香りには違いがあるのが分かるはずである。

2014年

9月

01日

香水を飲む

古い香水
古い香水

昔の映画、風と共に去りぬのなかでヒロインのスカーレットがお酒の匂いを隠すためにオーデコロンでうがいをするシーンがある。この場合は飲んではいないがうがいをしただけでも相当口の中は大変なことになっているはずである

。お酒は胃袋から出る匂いであるから効果はどうであったであろうか。映画ではバレバレで逆効果であった。

アメリカのオーデコロンは残り香がバニラであり、フロリダコロンと呼ぶ。爽やかさはフランスのものに比べると劣る。飲んでも死にはしないが、気持ちが悪いのである。濃度の濃い香水の場合はもっと耐え難いものであろう。口紅もナイトクリームも化粧水も食べたり飲んだりしても死なない。ただ、気持ちが悪いのである。

2014年

8月

30日

アンバーグリス

マッコウクジラ
マッコウクジラ

マッコウクジラの中には素晴らしい香料が宿っている。その名は

アンバーグリス。動物香料のなかでも拡散性にすぐれたものである。かってゲラン社はこの香料を惜しげもなく使用し銘香を生み出していた。現在はこの香料の代用としてシストラブダナムという植物が使用されている。動物と植物が似た香りを創り出している。これらの香料が入った香りはまったりとしたデザインにつながる。

2014年

8月

28日

ゲラン社のオーダーメード香水

バルザック
バルザック

フランスの誇る19世紀の文豪バルザック。彼の代表作の人間喜劇シリーズの第10巻に香水商の話がある。セザールビロトーという人物が主人公。

コヒー好きで、借金まみれで有名なバルザック、PASSYに彼の家がある。ゲランは180年の一族の香水商の歴史を閉じたのだが、初期にオーダーメードが行われ、その最初のお客様がバルザックであったという。8月

2014

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2014年

8月

27日

香水の香りの表現

匂い、香りの言葉による表現は難しい。専門家が専門用語で表現するのとはわけが違う。ある香りをデザインしてその評価をきいたり、希望の香りをたづねると理解に苦しむことになる。好きな香りをたずねると、答えはフルーティ、あまい香りが大半を占める。男女とも同じであるのも首をかしげたくなるがどの場面でも例えば食事、話言葉、普段着、も似ているから現代の現象の一つなのかもしれない。が、直面している香りのデザインでは説得に乗り出したい気持ちでいっぱいである。フルーティーよりこちらのシトラス系にと。

2014年

8月

25日

洗濯の匂い

ある通りの前に来ると洗剤の匂いがする。そこには有名な美容室がある。タオルを洗って室内に干してあるのであろうか、外まで洗剤か柔軟剤の香料が匂うのである。察するに干してある場所は通りからは離れた奥のような気がする。乾燥機の換気のためのに排出される匂いであろうか。刑事のようにあれこれと想像をめぐらしてしまう。悪い匂いも良い匂いも源を知りたくなる。

2014年

8月

23日

カブト虫

夏の昆虫、カブト虫。このものの採取は匂いである。必ずいるところの木は、フルーティーな匂い、やや夏の生ごみよりのフルーティな匂いではあるが、それが匂う。だから、捕獲はとても簡単である。

2014年

8月

22日

土砂崩れの前兆の匂い

ニュースによると、生臭い匂い、ガス臭い匂い、土の匂い、土が腐った匂いの表現があった。はたしてこのような匂い表現は、と考える。いづれにしても良い匂いではなかったのである。家屋も押し流されてくる中、下水道の破壊、各家のゴミなどの匂いが水に乗ってくるのであろうか。もし、家屋がないとすれば土の匂い、水の匂いであったのではないかと思うのだが、、。

2014年

8月

21日

長良川鵜飼い

鵜飼いでは松明に火がともされ夜のシーンに情緒が加わる。この松明が燃えると匂いがする。松脂の香料が燃える匂いである。松の香料は葉から採油する。パインニードルという名。殺菌力がありディタージェントの部類、洗浄用に使われる。また、フランスではこの香料を古布に浸み込ませ木製のテーブル、棚、などを拭き掃除する。その後部屋には清潔感のある良い香りが漂う。木製の拭き掃除に水は使用しないのである。その応用がダスキンのモップ。油で埃をとるのである。

   鵜飼いの厳かな歴史の漁法はいつもこの松明の香りが水面を覆う。香りがバックグラウンドにあると優雅という表情を加える。そして、パチパチと燃える音。フランス料理のシェフ、ロブションとそのご家族との鵜飼いの想い出が過る。

2014年

8月

20日

テレサテン続き

つぐない、という歌です。こんな歌詞ー窓に西日あたる部屋はいつもあなたの匂いがするー前の続きになりますが、匂いという表現は香水らしくは感じられず、やはり体臭でしょうけれど、いつも匂いがするという点はよほど強い体臭でしょうか。懐かしく、心残りの感じられるあたりはどうでしょうか、この体臭では。犬の匂いも飼い主はこんな風に思うのでしょうか。あれこれ追及です。

ことしの夏もセミのおしっこの匂いがかげませんでした。コアラ、ヒキガエルの糞の匂いは知っています。

2014年

8月

18日

テレサテンの歌

西日があたる部屋に以前、彼がいた、、ーー今でも彼の匂いがするという内容について。

素敵な歌声に恋の詞、しかし、彼の匂いとは、何の匂いであろうか。オードトワレか体臭か。

今でも匂うあたり、オードトワレのあの時代なら、シプレーの匂いが残っているかもしれないが問題は西日と彼がいなくなってどのくらいの時間がたっているかである。西日は香りを早く揮発させる。おそらく1週間ぐらい前に彼が出て行った部屋であろう。体臭は汗臭い労働者の彼でありその服が残っているなら匂うかもしれないが、この場合はやはり彼が使用していたオードトワレの香り。商品名はGivenchy Gentleman、かPaco Labanne の r であろう。

2014年

8月

12日

GRASSEの会社MERO ET BOYVEAU S.A.

1848年創立の老舗であった香料会社は古き良き時代の香水の街GRASSEのシンボルであった。眼窩にカンヌの海が臨まれた。会社に入るとイチゴの匂いが充満しているときがあった。あまりにも美味しそうな匂い。それは不二家のフレーバーに使われていたのだそうだ。当時の不二家のアイスクリーム、飴などはダントツの味の良さがあった。他社より高い良質なこのMERO社の香料を使用していたのである。

2014年

8月

11日

イランイランの花が咲いている

マダガスカル、フィリピンで咲く香水香料に重要な花、イランイランが東山植物園で咲いているそうである。珍しい花の香りを嗅ぐチャンスはめったになく流石、名古屋の名所、東山植物園である。

強いトップノートを作るこの香料は香水、フローラルタイプ、オリエンタルタイプ、シプレータイプの銘香には欠かせない香料である。ミドルノートの花の香りたちをきれいにまとめて引き上げ、豊かなトップからミドルへの展開を作ってくれるのである。

2014年

8月

08日

タヒチの花

タヒチ、南国ポリネシアの島、ゴーギャンが住んでいた島で有名である。この島に咲くティアーレという白い花が良い香りを放つときいた。直ぐにでも此の花の匂いを嗅ぎたいが遠い彼方向こうの島。思いをはせ、想像してみる。白い花であるから、ジャスミン、ネロリ、クチナシ、南国であるから、プルメリア、などなど。いつか現場に行くまでの楽しみである。

今朝、強烈な合成香料のネロリの香りにむせかえった。その香りの主は一向に周囲の反応にお構いなし。この種の経験をお持ちの方は多いと思う昨今である。

2014年

8月

07日

provenceの匂い

7年前南仏の友人を訪ねた。まづ、、ニース。旧ニースでピザをたべようとレストランを探しながら歩いていたとき、日本の夏のあの匂いが飛び込んできた。それはゴミ収集車が道に残した生ゴミの汁のフルーティな不快な匂い。これまで、フランスでは嗅いだことのなかった匂いだ。鼻の良いフランス人はなぜこの匂いを不快と思はないのか。その後美しい村CERESTEへ。この村に住む友人は嗅覚に優れている。ある日買い物をするため村の中心に出かけたとき、再びあの匂い。見れば大きなゴミ収集のBOX。ここに村の人は家庭ゴミをいれるのである。恐らく毎日ではなく週何回か集めに来る程度。ゴミは発酵してあの匂いを辺り一面に漂わせる。嗅覚の良いはずの友人は無反応。こちらが必死にハンカチで鼻の抑えているのを不可思議に感じていたと思う。その後大きな町MANOSQUEへ。大勢の人々がいる観光地の教会前でも、レストラン街でもこの匂い。誰も臭いという反応を見せていないのがまたもや不思議であった。今この点が心配で再び足を運ぶ気持ちを削いでいる。花の都PARISにはこの匂いがなかったのが救いである。それは毎朝、清掃車が街をきれいにしているからだ。フランスの田舎の人は嗅覚が衰えあのゴミの深いな匂いが感じられないのか、はたまた良い匂いとして感じてしまっているのか。友人の反応からすると、後者かもしれない。他国なら不快な匂いは想定内であるがフランスでは考えられないことである。少なくとも40年前にはこのような匂いは南仏には存在していなかったから。

2014年

8月

05日

ドイツ、チューリンゲンの森

ドイツのチューリンゲンの森のアリの巣は森の匂いがするという。日本の青木が原の樹海にはヒンヤリとした松の匂いがただよっていた。しかし、この時期周辺の水辺、たとえ白糸の滝という名所でも地面のカビ臭い匂いがありがっかりしてしまう。匂いは温度、湿度に大きく影響されてしまう。森の匂いは南アメリカ大陸の中ではピンとした匂いがありこれは大木から出る樹脂の香料の匂いで薬としての役目も担っている。日本の森のスケールの差がある。

2014年

8月

02日

お金の匂い

お金の匂いという言葉の響きにうまい話と意味もあるが、今回はお金の本当の匂いの話。お金には札、コインがある。コインの方、5円、10円、50円、100円、500円のお金には、メタリックノートという匂いがある。香水では1970年ごろが全盛期のグリーンノートの香りにこのメタリックノートが登場していた。グリーンノートは一方でメタリックな匂いにも関わるのである。働く女性に似合うグリーンFLORAL。このメタリックノート、お金の匂いはキャリアウーマン時代を開花させた、強い女、を表現したのである。

2014年

7月

31日

ジャコウ

香草のTHYMは和名をタチジャコウソウという。ジャコウの名がついているのは良い匂いがする、匂いが強いという点からであろう。イタリア料理には欠かせないハーブでもある。他にもジャコウ鹿、ジャコウ牛、ジャコウネズミ、ジャコウ蝶とジャコウの名がつけられているものがあるが、香水に使用されているのはジャコウ鹿の合成香料のみである。美しい残り香をつくるのには大切な不可欠の香料である。ずいぶん前にはジャコウネズミの香料も使っていた。これはいろいろ調合されて似たような香りになっていたものであったと記憶している。

2014年

7月

30日

アロマコロジー

薫香が世界中で宗教儀式に必要とされていた理由の一つにその香りが<人の心に影響する>からであるという。

香りの力には気持の高揚と鎮静の相反する力がある。そんな香料の現象はアロマコロジーという。

 薫香のなかで最高級は伽羅の木。その中に入っている樹脂化した香料が凄い匂いを発する。清らかで重厚。

木は長く生きる植物である。かんきつ系の王様、BERGAMOTE。この木にできる実の皮から香料は採油するがその皮を100年ほど乾燥した状態で放置していったものからはもう、BERGAMOTEの香りではなく美しい香木のようなものに変化した香りになっている。年月は香りを組織のなかで変化させる。その最たるものが沈香、伽羅の沈水香木である。

2014年

7月

28日

フルーティーな香りの香水

先日フルーティノートの香水講座を行った。さまざまなフルティーな香料はグルマンノートといわれる香調を作ることができる。食品香料としても使用されている。この香水を使用された方からの報告。ーーつけると飼い犬がすり寄っていくくるーー。お菓子が大好きなお犬様は欲しいとおねだりしているわけである。匂いだけでお菓子など無いわけだが、どこかに隠れていると信じているところが何ともかわいい。ダイエットをお望みの方へーこの香水でおなかが満たされることはないでしょうかー

2014年

7月

26日

原風景

原風景は一般には田舎を思いださせる。原風景なる言葉の中に風がある。田んぼで稲の生育するにつれて、黄金色の実りの香り、藁の匂いが伝わってくる。その役目は風。春には畑で柔らかな色の花の香りが飛び交う。ここにも春の風。

原風香なる考えもある。

2014年

7月

25日

濡れた犬の匂い

犬を飼っている方なら濡れた犬の匂いをご存知であろう。もっとも室内犬ではこの匂いが弱いかもしれない。

キク科のコスタスという根から採油していた香料はまさにこの匂いがしていた。香水では動物性の香りの役目をになっていたものであるがそれは過去の話。産地はヒマラヤ。これも香料の不思議に属する。外飼いのシバ犬が雨に濡れたときにでも嗅ぎながら貴重な香りに思いを馳せてみてはいかがであろう。

2014年

7月

24日

おしろい花

おしろい花咲いています。この花の香りはジャスミンとネロリの中間的な香り。おしろい花とはよく言ったもので粉っぽく、さすが夜咲く花。風にのって香りが漂う時などまさに昔の女性が鏡台の前で顔にお白い粉をはたいているような香り。また、湯上りの石鹸の残り香のようでもある。花の色は黄、ピンク、白、赤、ハワイアンカラーである。

2014年

7月

23日

香匂、フランス語

日本語には香水、香り、匂い、臭い、薫りという言葉があるがフランス語は香りという言葉にこんな単語がある。

fragrant,parfum,odeur,senteur,embeaumer,aromeなど。

アイスクリームを選ぶとき、どんなparfumがいいですか、と聞かれ驚いたことがある。vanille,franboise、chocolatから、vanilleと答える。味覚もおしゃれにparfumでいく。また、au

parfumは耳より情報なる見出しで使用されていた。

2014年

7月

22日

古い店舗の匂い

朝のことであるがいつもはしまっている店舗の入り口の戸めづらしくが開いていた、その前を通りがかったとき、プーンと匂った。湿気からくるカビの匂いである。入り口が南向き両サイドに店があり陽の光は入らない住居兼の店舗。日本家屋は共通してこの匂いが築10年もすれば出始める。欧州にはない匂い。この匂いがわが家の匂いといって愛おしんでいる人もいる。本当はカビが充満して体に良くないはずなのだが。

2014年

7月

19日

水増しのコロン

天声人語に語られていた内容からの話であるが。画家セザンヌの作品に赤いチョッキの少年シリーズがある。この赤色は女性にいわゆるもてる色だというデータがあるそうだ。また、夏目漱石の作品、坊っちゃんにも赤シャツなる人物が登場する。この場合は赤い色はもてるという意識ありで着ているのであるが、男が赤い色を着て持てようとする日仏の赤色合戦。セザンヌが女性に人気を得るためにチョッキを赤色にしたのかどうかは不明であるが。男たるもの色で上げ底せず、中身が伴った本物をめざすべきであるという、論。赤の力はせいぜい水増しのコロン程度、即ち匂いがあるかなしかの香り、そんな程度の香りでは辺りの女性をひきつけられない、ということらしい。ここでも、持てるために香りが道具として登場しているのが、一般通念として興味深い。

2014年

7月

19日

Coletteフランス人作家と香水

コレットといえばフランスを代表する作家、彼女が60代でなんと化粧品会社を始めたのである。時は1932年。

courbevoieという町。ここは大手GerlainやChanelが軒を連ねていた場所です。専門外のことを始めた結果うまくいきませんでした。その後作家に専念して傑作を残しています。Coubevoieの工場をたづね香水を嗅ぎ、、ファンデーションの微妙な色合いを選ぶ当時を偲ぶのもいいかもしれませんーーこんな内容の記事を読んだ。流石にフランス、香水は象徴なのである。

2014年

7月

17日

parfumeur Francis Kurkdjian 来日

francis Kurkdijan
francis Kurkdijan

先日今話題の調香師来日、お会いしました。謙虚な方です。新作a la roseの紹介のための来日。表参道近くの結婚式会場で、素敵な演出でした。

2014年

7月

14日

クレープジャスミンの香り

クレープジャスミンは木である。クチナシのように白い花が今咲いている。香りはジャスミンとネロリの中間のようである。そばに鼻を近づけないと香りがしない。風があればいっそう快く感じる香りである。おしゃれな洋風な香り。

2014年

7月

12日

夢と匂い

匂いの付いた夢をみることができる人は限られているそうだ。夢は記憶の産物である。記憶に香りが組み込まれていなければ不可能であるからである。

昨日、みそ汁の匂いが夢に現れた。これまで8回ほどいろいろな匂いが出てくる夢をみた。調香師の経験が長いほどみることができてくる。不思議にも夢の中で考えているテーマの香りが出てきたことがある。夢の中で調香しているのである。いったいこうした現象はなぜ起こるのだろう。痛い、悲しい、苦しいといった心の奥に訴える経験のある内容はほとんどの人が夢において経験している。匂い付きの夢は人口の2%くらいの人しか見ることができないそうである。

2014年

7月

11日

お菓子職人のレシピ

Sebastien Daudard
Sebastien Daudard

フランスの有名なパティシエ Sebastien Gaudard氏がBonzourJAPON誌で述べていた内容に共感した。それは全く香水にもいえることだからである。ー15年間僕は本当にモダンで斬新なケーキを作ってきた。柚子や抹茶なんかの日本のフレーバーもよく使っていたよ。でももう、それもお仕舞い。これからは伝統フランス菓子のレシピ。しかもそのケーキが生まれた時代の誕生起源のレシピで作るんだ。究極のフレンチケーキだよ。-同じ気持ちで香水、伝統の処方テクニックで挑んでいる。(Hanayo Collection)

2014年

7月

10日

加齢臭

加齢臭は生活が豊かになって登場してきた言葉である。年齢がつくる人間の香料。一方幼児には独特な匂いがある。幼稚園、保育園などで嗅ぐ独特な匂い。さらには赤ん坊が出す匂い。臭いとやり玉にあがるのは加齢臭だけである。この匂いをたくさん嗅ぐには図書館。じっとして読み込むとき出ているようである。むろん加齢の人々が滞在の時間である。この匂いの正体は花にもある香料成分である。自然が作り出す匂いはツキサス様な匂いではなくもったりしている。対策商品もいまいちの感がある。自分の出す加齢臭をまずは知っているか、感じているかが問題でなのである。

 

2014年

7月

08日

足の匂い

足には嗅紋なるものがあるという。足の裏から出る匂いが人それぞれ違う固有のものだという。目の悪い犬などが飼い主に懐き他の人との区別はこの嗅紋からでる匂いによるらしい。音にも敏感であろうが飼い主が遠くからくるのが匂いで判断できる技を持っているのである。この匂いは香水でいえばラストノートに使用する匂い立ちのわるいものが香料成分である。しかしながら、動物臭であるのであるがこれは猫の足の肉球に感じられるほっとする、不思議な匂いに共通するものがある。足の裏は重力に引っ張られ地面からは抗力を受ける場所。力の張合いで不思議な安堵感のある匂いが出てくる。花の匂いにも通じる安息の類の匂いがある。真剣にあらゆる人種の足の裏の匂いを嗅いでみたいものである。

2014年

7月

07日

お相撲さんの鬢づけ油の匂い

名古屋場所が始まる。浴衣姿のお相撲さんからあまい香りがする。それは、ちょんまげの髪結いのために使用される鬢ずけ油に付いている香りである。おそらく髪をしっかり結い上げるため特殊な油が必要でありそれには基剤の匂いがあるはずである。その匂いを抑えるために香料は重くあまいオリエンタルタイプといわれるデザインが合う。オリエンタルタイプの香水にはゲラン社のShalimarがある。最も残香がある香水タイプである。昔はこういった香りをジャコウの香りと言っていたようで小説にもよくこの表現が登場している。さて、お相撲さんは行司の掛け声で力いっぱいマワシをつかんで、このオリエンタルノートがセクシーに香る、、、。凄い場面である。

2014年

7月

05日

昆虫と匂い

アメンボウは飴の匂い。モンシロチョウはレモンの匂い。ハンミョウは青リンゴの匂い。カメムシは臭い匂いといったふうにいわれている。捕まえられたときに発する匂いで仲間に危険を知らせ敵には忌避をせまる匂いである。これらは人間がターゲットに作られているわけではなく鳥や昆虫がそのターゲットであろう。アメンボウの匂いは他と大きく違う匂いであるがほとんどは香水ではトップノートに使っている香料である。混ざってミドルノートを引き出していくために使う。とりわけ、カメムシの匂いはシャネルNO5に欠かせない。

2014年

7月

04日

脂(やに)の香料

人間の体からは目やに、鼻クソ、耳あかが出てくる。このうち目やには樹脂のように固まってくる。これは中近東の

樹脂の香料,乳香のようだ。むろん目やには匂いはないが液体が固まり樹脂化する点がおもしろい。乳香ははじめは白くお乳のようで時間がたって固化し黄色くなってくる。香りは香にも通じる落ちつきのある匂い。殺菌力にも優れている。中近東の国々では儀式に欠かせない。また、焚いて香りを煙状態にして店などにその香りの煙りを売る香料職人がいる。清めのため、商売繁盛のため必要とされている。香師にはラストノートに必要で他のムスク、木などと一緒になって良い香りになる。

耳あかにはかすかな何と言えないエニシダの残香のような匂いがある。耳あかには乾燥タイプ、湿りタイプがある。前回の腋臭の匂いはこの耳あかが湿りタイプに生じる。これは垢なのであろうか。スパイス香料クミンはこの腋臭ににている香りである。

2014年

7月

03日

向田邦子の嗅覚感性

緻密で頭脳明晰さがエッセイ、小説にもまるでミステリーストーリーのように繰り出す。旅好きな方であったのであろう、人が行かないところに足を運んでいらした。その中でアフリカでのことが書かれていた。読んだとき匂いを共にした。-暑さと湿気もかなりのものだった。恐らく40度は越しているだろう。風が全く無いせいか、じっとしていても汗が吹き出し、シャツにしみを作る。何を考えるのも大儀になる。青みどろ色で薄い屑でも流したようなねばり気のある湖の水は、クロレラの煮える匂いがして胸がむかついてくる。-他の文のなかにも随所に素晴らしい表現が見られるが不思議に人が好きな快い香りよりも苦手な匂いに関することが多いように思う。例えば腋臭の匂いがでる文もある。そこには機械油の匂いも登場していた。腋臭は日本では大変嫌われているがことフランス、イタリア、スペインではそういった感覚は持ち合わせていないと感じた。今サッカーワールドカップたけなわ。汗と興奮の中、強豪の人種はかなりの腋臭を持っているはず。競技場は観客と一体となった腋臭の良い匂いに包まれていることであろう。「

2014年

7月

01日

東松照明の写真

東松照明氏の沖縄時代の写真に釘付けになった。真夏のサトウキビ畑で牛と老人が写っている写真。それまでこの写真家を知らなかったが雑誌かカレンダーになっていたものでもそうなってしまった。切り取り壁に貼って眺めている。後に偉大なる人物の作品と知り感動している。写真からサトウキビ畑の枯草の匂い、真夏の太陽から出る温度、空から、来る過酷な乾燥、そして静寂、が実感できたのである。写真がなくともいつでも沖縄の畑の真夏を感じることができてしまう。匂いを漂わせる風すらない。暑い。一瞬の写真であるのに永遠の記憶が刻まれてしまう。それは匂いの記憶に似ている。魂の写真家である。

2014年

6月

30日

辻井伸行と藤の花の香り 

ラフマニノフが晩年過ごした家、スイス。湖畔の家を辻井伸行氏が訪れ、尊敬する作曲家、ピアニストのぬくもりを感じていらっしゃ様子がTVで映し出されていた。庭にでると藤の花が満開でありその香りをかいでいらっしゃる様子が印象的であった。おそらく私たちがその香りを嗅ぐ以上に嗅ぎこまれていたに違いない。ラフマニノフの曲の音がピアノの鍵盤以上に創作されて演奏されているように。自然の景色の美しさを音に託す作曲家は多い。風の音、木々の揺れの音はもとより、光の移り変わる音、雲の流れる音、湖の湖面に映し出される景色の音、これらは特別な嗅覚で音に伝達されていくのであろう。藤の花の香りはバラの成分、スズランの成分がかさなりあっているいわゆる花、ミツバチの好む香りである。ラフマニノフはロシアから苗を取り寄せたとのこと、日本の藤の花の香りとは異なっているかもしれないが。

2014年

6月

27日

嗅覚と記憶

匂いと脳の海馬の研究が盛んである。早速 被験者の方に香りの記憶力をためす。

集中性が一番要求されるがその前に嗅覚の感度、脳の感度が必要である。緊張感がなくなるとやはり記憶力が落ちてくる。匂いの差、違いを記憶していく作業はかなり難しいようである。この力が匂いを記憶することになる。音の記憶は比較的日常している行為だがこと、香りや匂いは難しい経験であるようだ。調香師はそれを生業にしているが嗅げば嗅ぐほど誰でも力が備わるのである。絶対的に匂いを覚えてしまい、記憶の装置に入れてしまうための方法を模索していくことになりそうである。

2014年

6月

26日

1954年発売香水

CARON社のPOIVREは1954年発売の香水。2014年の今時の流れのを伴った香りを開封します。過去、この会社のヒット商品はそのネイミングが大きく関与している。香水黒水仙、石の花など。この両者、外国映画の名前にもなっている。黒白映画の時代である。黒水仙は黒いチューリップという名の映画もあって黒色に付加されるものが大きいのであろうか。実際の黒水仙の花の香りは臭い匂いらしく日本では石川県の白山に咲くらしい。香水黒水仙は成瀬己喜男監督の映画、女が階段を上がる時、という作品の中で登場する香水である。高峰秀子が演じるクラブのママがそれをつけている設定。実はこの香水のため結婚詐欺にあってしまうくだりもある。加藤大介演じる詐欺師がママのそばで目をつぶり ーイイ匂いダナーと香りを吸いこむ姿が持てない不細工な顔と相まっておかしい。高級香水黒水仙のかもしだす物語である。さて、POIVREはその名のように胡椒かそれとも胡椒農園の植民地の暑いエキゾチックな香りか、楽しみである。

POIVRE
POIVRE

2014年

6月

25日

シャシャンボの花

東山植物園でもうじき咲き始めます。木の花で、小さい花です。香りはユリに似ています。

シャシャンボの花
シャシャンボの花

2014年

6月

23日

香りの正体 

タイサンボク
タイサンボク

朝いつもの道でローズにも似た香りを一瞬感じた。あたりにはバラの花は見当たらない。翌日東山植物園でその花の香りの正体を知った。今、背の高いタイサンボクが大きな白い花を咲かせている。スズランのような花の香りである。花は上を向いているので風がその香りをあちこちへと運びその香りの入いった空気の位置に鼻があった場合に感じることができる。その間に香料の成分も変化してくる。あの、朝の香りはかなり遠いところの庭から運ばれてきたものであろう。風が運ぶ、目には見えない香りの入った空気の存在。こういった風の役割はかなり前から認識されていたのである。平安時代身分の高い人々の衣装に香を焚きしめる習慣があった。風はその香の香りを辺りの人へ運び届ける。それが追い風用意である。香の香料は焚かれ、衣につくと一層重みを増し香りが立たなくなる。風といっても空気の動き、柔らかな動きでゆらりと運ばれるのが望ましい。上から下へと風が通りやすい貴族の屋敷こそ、香の美しさを楽しめたのであろう。タイサンボクの素晴らしい香りを嗅ぎに東山植物園にお出かけください。

 

2014年

6月

21日

強い匂い

ある朝地下鉄の駅への道すがら飛び込む匂いはたばこの匂い。息を止めて足早やに歩く。やっと改札口にたどりついてまた、匂い。運動部の中学生の集団がどこかに練習に行くようだ。洗剤、柔軟剤たっぷりの匂いが鼻を刺激する。お家のかたは汗の匂いやら若い男性ホルモンの匂いやらを抑えたい一心でせっせと香りの強いもので洗濯するのであろう。昨今問題になっているこういった現象は30年以上前の朝シャンブームを思いださせる。むろん匂いの差はあるが香りのしっかりしたリンスに女子高の朝のHR、先生方はおおーっとなっていたようである。早く窓をアケローと。

汗、ホルモンの匂いも強い香料にマスキングされているにすぎない。限度を超えてまでも覆い隠す必要性があるのであろうか。一度、一切匂いをセーブして野山、植物園に出かけ嗅覚を休め、かすかな自然の匂いの在り様に気付いてみてはと思うこの頃である。

2014年

6月

19日

香水とモード

モードと違い香水は50年も同じデザインで販売されている、と最初にオートクチュールデザイナーとして香水を発売した人は語っている。その人はPaul Poiret。モードが秋冬とデザインに大忙しの中その服につける香水はいつも同じ香りでなんら不思議はない。香水は歩が良いという意味である。そういえば、香水の王様,CHANEL NO5はもうじき100年を迎えようとしているがいつもベストセラー。香水業界において幻的存在のモード界からの発売香水である。

2014年

6月

17日

クチナシの花の香り

クチナシの花を花瓶に活けてみました。だんだん花が萎れてきます。葉は一方いきいきしています。花の香りは花が萎れている状態でも活き活きしていつも同じ香りです。普通萎れた花の香りは良い匂いはしないのですが。不思議な花です。

2014年

6月

16日

クチナシの花

クチナシの花の香りは枝から切ってもそのまま変わらず匂いを出し続けている。ハワイの花プルメリアにも同じ香りの成分がはいっている。花はしっかりとした表情を持ち風で形が崩れたりしない。一方的に出してくる匂いの保持者、クチナシ。真っ白からだんだん黄色に変化していく。これはスイカズラに似ている色の変化。

2014年

6月

14日

街の匂い

今朝クチナシの花の香りが、ポッカリ雲につつまれたように道に浮かんでいる。ほんの一角に。クチナシは人間に必至で知らせに来るがドクダミはそうではない。しかし触って引っこ抜こうものなら凄い匂いに逆襲される。やはり植物は頭脳が優れている。

2014年

6月

13日

匂いの表現

向田邦子ほど言いえて妙な香り、匂いの表現をしている作家がいるであろうか。墓碑にこんなことが書かれているという記事を読んだ。

花ひらき、はな香る 花こぼれ、なお薫る

向田氏は香水が好きであったという。きっと嗅覚にも優れていた方であろう。

ー寝ぐさいーこんな匂いの表現を見つけたとき凄いと直感した。

2014年

6月

10日

ドクダミの花と葉の香り

ドクダミ
ドクダミ

ドクダミの花が咲いています。真っ白な花。この花の香りと葉、茎の香りは似ています。ひとつの草で全部分が香ります。これは大変めずらしいことです。バラの花は良い香りがしますが葉はバラと同じ香りではありませんしいわゆる葉の香りがするにすぎません。ドクダミの香りはaldehydeという香りです。香水の組み立てに欠かすことができません。また葉、柑橘系の皮、花の咲き始めなどに香る香りです。

2014年

6月

09日

自然が恋人

寺田寅彦は物理学者にして漱石の弟子であり、じつに興味深い言葉を多く残している。不思議にもこの方の生きた時代はフランスのモード、香水、文学においてもいまだに多くの知識の宝を提供してくれている。両国とも何故この時代に一致しているのか。

寺田寅彦はー科学者になるには自然を恋人としなければならない。自然はやはりその恋人にのみ真心を打ち明けるものである。ーこの抜粋はある記事の中から見つけたものであるが自然の中の香り、匂いを研究していく毎日の中で、実感している。確かにそっと香りの秘密を教えてくれる仕組みはまるで妖精を恋人としているようである。

2014年

6月

08日

変わった匂いの花とユウレイタケの良い香り

栗、カシ、ナラ、クヌギなど、秋の実、どんぐり、栗をつける花が咲き始めました。少し変わった匂いを感じましたら辺り、上の方を見上げて下さい。房状の生成りの小さい花が見つけられます。決して良い香りとはいえませんが、このような何ともいえないタイプの香料を香水に使います。中立の立場で香水の組み立てに貢献します。もちろん上記の花から香料をとるわけではありません。

 

ギンリョウソウ(ゆうれいたけ)が咲いていますようです。

ずいぶん前に嗅ぎましたので記憶は定かではありませんがとても冷たく透明感のある良い香りがしていたように思いました。嗅ぐためには湿気のある山の暗いところに行かなくてはなりません。

2014年

6月

06日

クチュリエの高級衣装の役目

GOGUE JAPANの記事に以下の文があった。<偉大なクチュリエだったクリストバル・バレンシアガは、あなたの服は女性を洗練させるかと問われて=その女性がもともと洗練されていなければ不可能です=と答えたという。>

さて、かっての偉大なる香水デザイナーROUDNITSKAやROBERTはどう答えていたであろうか。

ーあなたの香水,FEMME、は女性を洗練させることができますか。あなたのEAU DE GUCCIは女性を洗練させることができますか。ーやはり彼らは同じ答えをだしていたと思われる。香水をデザインするときそのクライアントを想定し生活スタイル、例えば、好みの衣服、宝石、靴、レストランなどを参考にしますがそこには人々の憧れの豪華な生活スタイルがあるのです。そうです、すでに洗練されている方々のために新しい香水を作るのです。衣服、香水は既にお持ちの洗練さに更なる輝き洗練さを加えていくための道具に過ぎないのです。その方は周囲の人を引き離し「一層素敵になっていくのです。

 

 

 

 

2014年

6月

03日

スイカズラの花

スイカズラ
スイカズラ

今咲いています。とても良い香りがします。それは楠の花に少しJASMINをくわえた香りで、すがすがしい中にも香水調が感じられます。野生のものは平和公園の中で見つけられます。パリのバンセンヌの森の高級アパートの鉄製の柵の塀に絡んでとても良い匂いを放っていたのを思いだします。

クチナシも咲きだしました。あたりを見回しても姿は見当たりませんが何処かに咲いています。

 

 

2014年

6月

01日

6月22日 日曜日 東山植物園の香水講座

::この日は1時からー香りをたのしむ植物園ー

 ミカンの葉の香りを数種類嗅ぎ比べます。花の時期は終わっておりますので葉になります。ミカンは花、葉とも香りさらに実も香り、これほど香りを出すものは他に例がありません。消臭効果、リラックス効果、に優れています。主成分のリモネンは油汚れ,風呂場での垢の付着を溶かします。それ自体揮発性油なのです。蝶がこれらの葉に卵を産み幼虫はこの葉を食べて蛹になります。ひたすら食べる音はむしゃむしゃといった感じです。苦いであろう味はその成分が蛹に必要なのでしょう。幼虫が食べながら出す糞はやはり柑橘系の香り。食物連鎖で鳥はこの香りは嫌いなようです

     リモネン、と苦み、エゴミの香料を嗅いでいただきます。

::次に1時半からー天然香料を使用して衣類用香水を作る、講座ー(植物園への申込みが必要です

     爽やかで優しい香りをつくります。寝苦しい夏にも役だつ香りです。

 

 

2014年

5月

30日

月桃咲いています

沖縄県の花とでも言いましょうか、南の島にこの時期咲き誇り沖縄の香りを放っています。葉も裂くと花とは違いますがカンファリックな良い香りがします。今この不思議な花と取り組んでいます。昨年はせっかく沖縄より蕾も含めて花をいっぱい送っていただいたのですが輸送の段階で発酵状態で香りは嗅ぐことができませんでした。花はデリケートで切られた段階で茎より物質を出し水は濁りはじめます。やはり地面に根を下ろしている状態が望ましいのでしょう。

香りはカンファリックでユーカリにも似た成分が感じられ、フルーティ成分とうまく調和しています。沖縄の暑い夏、風に吹かれて人々に届けられる香りはとても涼しげで明るく若々しいものです。太陽、海が合致したデザインといえましょう。自然は匂いの調和のモデルをこうして教えてくれるのです、景色、味、音と同じように。

 

月桃の花
月桃の花

2014年

5月

28日

坊っちゃんとマドンナ

天声人語に書かれていたことを参考に。

漱石の坊っちゃんの一節に次の文がある。「何だか水晶の珠を香水で暖めて掌へ握って見たような心持がした」マドンナを初めて見たときのような心地、、

マドンナに香水の香りを感じているのはこの時代如何に香水が舶来で高価で最高の女性にふさわしいかを語っているのではないであろうか。香りは実体がないにもかかわらず感じるのである。特に漱石の時代、香水という言葉自体が特殊な場所で特殊な人々に使われていたに過ぎないものであったであろう。上流階級、お金持ち、そんな世界に存在した舶来香水、その香りは水晶に香りが馥郁と移り伝わるほど濃厚な天然香料が調合され、まさに一滴が宝石の如く輝く香水の世界であったのである。

2014年

5月

27日

東山植物園

バラが満開でした。パパメイアンの赤いバラは柵の奥で直接嗅ぐことはできませんでした。浮雲の薄いピンク色のバラはとても上品な香りを放っていました。そのほか桐の薄紫の花、大葉モクレンの花、芍薬の花が良い香りを放っていました。

桐の花
桐の花
大葉モクレン
大葉モクレン

香水講座

中日文化センター第2期香水講座

6月11日ートロピカル香水つくり

好評の香水講座です。今回はカリブ海のバカンス、思い切りフルティーな夏の元気いっぱいの香りを作ります。

香料はプロの香料カシス、マンゴ、ブラックベリーの成分に合わせ貴重なブルジョンドカシスのグリーンノートをジャスミン、組み入れます。かってのエスカダfaragranceを思わせます。

一度使用したら忘れられないonly oneの香り。今香りは自分で作り使い切る時代です。

嗅覚を磨きながら集中した時間を中日文化センターでご一緒下さいませ。お問い合わせは中日文化センターへ。

tel 0120-53-8164

2014年

5月

20日

東山植物園ー花の香りのお話ー

5月25日㈰ 午後1時から30分程度

ー東山植物園植物会館前集合ー

バラの花の香りの話です。

バラ園で花の香りの成分-rosep.geraniol,rhodinolを各人で嗅覚を駆使して確かめます。

香料をお持ちいたします。また、10名様にバラのミニ香水を差し上げます。東山植物会館にて1時にお待ちいたしております。職員の方もご一緒していただけますので質問もできます。

2014年

5月

19日

咲いています―オレンジの花

今、柑橘系の白い花真っ盛りです。香料として今、入手困難、値段も大変高い花の香りです。チュニジアで採油されます。水蒸気蒸留という方法です。その時いっしょにネロリ水が採れます。土地の人はこれを飲んだりパンや料理に使ったりしています。

当店ではご注文をしていただきますと1本16ml¥3800でeau de neroliをお出しいたします。とてもナチュラルで花、花のむせるような香りです。フランスの調香師たちは花といえばネロリでした。

1 日本国内への配送に適用されます。その他の国についてはこちらをご参照ください
2 税抜価格